誰もがいつかは迎える死

お墓探しというのはなかなかに難題です。先祖代々入る墓が決まっている場合は問題ありませんが、なんらかの事情でそういった墓が利用できなかったり、そもそもそういった墓がなかったりする場合は用意するしかありません。お墓という慣習がいつの世代まで続くのかという議論はありますが、まだまだ死後はお墓へという価値観も残っており、根強い需要も存在しています。

とはいえ、いざ探そうと思っても普段意識していないものなだけにどうやって探したらいいのかも、どうやって申し込めばいいのかもわかりません。こういった時に力になるのがお墓や霊園の情報ポータルサイトです。

たくさんのお墓に関する情報が掲載され、地域ごとに探し連絡を取ることができる気軽さから人気を博しています。今回のテーマはこうしたお墓/霊園情報ポータルサイトの管理システムを取り上げます。どのようなポイントに注意して構築すれば利用者に支持されるものにできるのか整理してみましょう。

Point.1 複数の条件で絞り込み可能

墓地は各都道府県ごとにたくさんの選択肢があります。また、必ず自宅の近くである縛りはありませんので、条件にあうところであれば、多少距離が離れていても選択肢に入ってくるという特徴があります。このあたりがエリア指定で掘り進んでいける他の情報ポータルサイトとの大きな違いになります。

そのため、他府県が候補になることも珍しいことではありません。他府県はさすがにという場合でも、車で1時間以上の距離が候補にあがることもしばしばです。このようにエリアで深く絞り込めない場合は、そのままだと検索結果数が増えすぎてしまう傾向が強くなってしまいます。そこで重要になるのが絞り込み機能です。

墓地や霊園の永代使用料で絞り込めるのはもちろん、運営形態やアクセスの方法や距離、海が見える場所や見晴らしが良いなどの場所の特徴などで絞り込めるようにもしましょう。また、墓地の施設面でもバリアフリーかどうかや駐車場の有無など、いくつもの選択肢で絞り込めるようにします。こうすることで利用者の好みにあった墓地をうまく提示し、ストレスのないお墓探しを提供できます。

歴代お世話になっているお寺があるようなところ以外は、はじめての墓探しになることも多いと思います。そうした人たちが少しでも楽に、そして迷わずに探せるように配慮しましょう。また、供養の仕方も多様化しています。その受け皿となる墓地側も近未来なサービスも含めて多様化しています。そうした多様なサービスもストレスなく検索できるようなタグ付けや、カテゴリ分けを行ってみてください。

Point.2 お墓にまつわる基礎知識も充実

お墓を探すような人がお墓に詳しいとは限りません。よほどのことがない限りあいまいな知識でインターネットで調べながらなんとか取り繕っているというのが現状ではないでしょうか。そうした人達にきちんとした情報をまとめて提供するのも重要です。

お墓選びの基本的な流れや必要な費用、その他宗派ごとのチェックすべき項目などを読みやすくまとめ、サイト上に掲載しましょう。各記事にはソーシャルメディアで拡散するためのボタンを設置し、良質な記事を作成することがそのままサイト自体の宣伝につながるような仕組みを構築しておきます。充実したコンテンツはSEO対策にも非常にプラスになります。できるだけ量も質も高いものを準備するようにしてください。

なかなか人に聞きにくいことだけに、充実したコンテンツは喜ばれると思います。お堅い感じのトーンよりは、カジュアルに、それでいて真摯なトーンが支持を集めると思います。

Point.3 Q&Aやコラムを継続掲載

墓地の情報がたくさん掲載されているだけでは競合を出し抜くことはできません。もちろん絞り込み機能の充実など、機能面で強化できる部分もありますが、SEO効果によるサイトへの誘導のためにも、サイトに掲載されているコンテンツを徹底的に充実させることははずせません。

お墓にまつわるQ&Aを作成し、充実した回答を作り込むのはもちろん、お墓にまつわるちょっとライトタッチのコラムなどを掲載することで利用者の安心感や親近感を高めるとともにサイトのフレッシュさを保ちましょう。どのような細かいことでも、徹底的に深堀りしていくとコラムのネタはどんどんと出てきます。それぞれを周辺知識も絡めながらしっかりと書くことをおすすめします。

コラムのネタが専門的だったり、時にマニアックだったりすればするほど、メディアとしてのポータルサイトへの信頼度が高まります。価値のあるコンテンツを作るのは時間も労力もかかりますが、未来への投資として積極的に取り組むことをお勧めします。

長くしぶとく蓄積を

よほどたくさんの広告費を投下しない限り、後発で多くの売上を確保するのは至難の業です。例え遠回りに見えても、確実に意味のある施策を着実に実施していくことが、結果的に成功への最短ルートではないでしょうか。

営業、システム、コンテンツの3つが絡み合えば、ビジネスを採算ラインにのせ、成長させていくことも不可能ではありません。大胆かつ慎重にビジネス拡大に挑戦してみてください。

開発スタッフのコメント
従来はタブー視されることも多かったこうした話も、終活トレンドの中でよりオープンに議論されるようになってきました。それに伴い情報収集する人も本人から家族と、様々な立ち位置の人が想定されるようになっています。霊園自体もインターネットでの情報発信を充実させるなか、ポータルサイトならではの便利な機能で差異化していく必要があるため、機能とコンテンツの両輪で圧倒するぐらいの勢いで取り組むべきでしょう。