車移動の心配事
混雑が予想される場所へ車で移動する際に心配になるのが駐車場です。人気のショッピングモールや観光施設は休日ともなれば駐車場待ちの車列ができることは珍しくありません。他にも平日の都心部の人気エリアも慢性的な駐車場不足に陥っています。人気のエリアは駐車スペース自体が不足しており、駐車場がすぐに増やせるのか、という視点では、この状況はなかなかすぐに解決しそうにはありません。
一方で、駐車場として使えるけど看板がないため目立たなかったり、普段は誰か他の人が使っていたりという理由で有効活用されていないスペースがあります。駐車スペースの前で呼び込みをするわけにもいかないので、こうしたスペースは活用されないことがほとんどです。使われていない店舗はもったいなく感じますが、空き地にはそこまでもったいなく感じないとしたら大間違いです。スペースはお金を産む種なので、活用しない手はありません。
そんなスペースの有効活用を目指して、駐車場を借りたい人と貸したい人をマッチングするサービスが登場してきています。貸す側は特定の日だけ貸し出したりもできるので、従来の定義では駐車場とは呼べないスペースも資産化できるというメリットがあります。
今回のテーマはこうした空き駐車場/パーキングの検索マッチングサイトのシステムについてです。どういったポイントに気を付けて構築すべきか整理してみましょう。
Point.1 空き日程設定をスケジュール可能に
こうしたマッチングサイトでまず重要になるのは供給者側の確保です。既存の大手パーキングとは一線を画すサービスですので、どちらかというと中小零細個人といった層が対象になってきます。こうした層をできる限りたくさん確保し、スペースを提供してもらう必要があります。
普段は自家用に使っているスペースや、月極の契約切り替えの間の場所、さらには工事の合間で更地になっているスペースや定休日のお店の駐車スペースなど、細切れの枠設定で活用できる場所はいくらでもあります。こうした細切れ設定を簡単にできるように、貸す側の人の管理画面で空き枠設定を簡単に行えるようにします。
1日1日設定することはもちろん可能にし、さらに曜日や日にちでの繰り返し設定にも対応します。時間枠も設定可能にし、細切れの時間を効率的かつスムーズに枠設定出来るようにしましょう。細かい条件設定をできるようにすることで、一度設定したらほったらかしで楽に運用できる状態を実現できます。
Point.2 借りる側からはカードで事前集金代行
駐車場の代金を支払う際、このサービスの対象となる駐車場には立派な集金設備があるわけもありませんし、そこに貸す側が集金に行くことも現実的ではありません。駐車場を予約した段階でカード決済で借りる側から利用料を徴収するかたちにし、貸す側と借りる側双方の金銭のやり取りの負担を軽減します。事前決済にすることで貸す側のとりっぱぐれはなくなりますし、ドタキャンやいたずら申し込みといったことも防止できます。
また、貸す側のリスクを含んだ料金を徴収することで、万が一のトラブルに備えることもできます。実運用の中でどれぐらいのパーセンテージが適切かは判断すべきです、駐車スペースの損壊など、サービス運営上で起こりうるリスクを想定すべきです。もちろん、事前徴収することで利用者側の脱落が増える可能性はあるので、両面での対策が必要になるでしょう。
Point.3 双方向評価制度で秩序を維持
貸す側が駐車場の近所にいない限り、サービスを介して借りる側と貸す側が顔を合わすことはありません。貸す側の情報は事前に写真や説明を掲載することである程度担保できますが、借りる側の情報はどうしても人によって掲載度合いにばらつきがでてしまいます。
そこでインターネットオークションで一般的になっている双方向評価システムを導入します。借りる側、そして貸す側がそれぞれに評価し合い、以後の取引の際に他のユーザーが参照できるようにします。
マナーの悪い利用者は淘汰されていきますし、嘘の情報を掲載している貸す側にも浄化作用が働きます。あまりにひどい評価の利用者には運営側が介入したり再登録禁止にしたりなどの強制措置をとることも検討すべきです。基本的には評価の星数と、簡単なコメント機能を実装するだけで十分でしょう。利用者と貸す側でけんかになるような事態も想定されるため、大きく炎上する前に運営側が介入できるような検知する仕組みを設けておくと安心です。
無駄なスペースの活用
国土の狭い日本ですが、時間単位で区切ったらまだまだ無駄なスペースはたくさんあります。こうした無駄なスペースを有効な資産に変えていくことはとても社会的な意義があることだと思います。マッチングサイトだけに、借りる側、貸す側双方を集める努力は必要ですが、その努力に見合うだけのマーケットは存在していると思います。是非、挑戦してみてください。