お得情報は見逃せない

まさに1円単位の攻防。毎日繰り広げられる仁義なき戦いとも言えるのがスーパーマーケット間の価格競争ではないでしょうか。受け手となる消費者側もチラシを片手に比較し、スーパーマーケットを使い分けています。スーパーのチラシだけは別でとっているというような家庭も多いかもしれません。

新聞を購読しない人も増える中で、各店のチラシ情報を掲載してインターネット上で閲覧できるサービスが人気を集めています。家に居ながらに、机を散らかさずに比較検討できる便利さから利用者を増やしているようです。スマートフォン片手に閲覧できる気楽さも人気の秘密です。よく行くお店は限られているので、そうしたお店だけ効率よく巡回して確認できるようにしておけば、それだけで時短になるメリットもあります。

今回のテーマは、こうしたチラシ情報サイトの管理システムについてです。どのようなポイントに注意してシステムを構築すべきか整理してみましょう。

Point.1 マイ地域登録で簡単アクセス

スーパーマーケットの情報サイトである以上、対象が全国になると思います。とはいえ、利用する側の視点から言えば、自分の行動半径以外の地域の情報は無駄でしかありません。毎回自分の目当てのページに行くのは骨が折れる作業です。

各地域毎に個別URLを発行してしまい、お気に入りに追加してもらうという方法も一つですが、ユーザー登録を行った人にはマイ地域の設定を可能にし、初期状態で自分の地域の情報が表示されるようにしましょう。登録できる地域は一ヵ所ではなく、仕事場の近くや実家の近くなど、自分の行動範囲のエリアの数だけ登録できるようにしておき、1クリックで簡単に地域の切り替えができるようにします。引っ越しをして住むエリアが変わった場合にも、設定を変えるだけなので簡単です。人生のイベントに引っ越しはつきものなので、引っ越し先でもサービスを利用し続けてもらうために重要な機能と言えるでしょう。

さらにマイ地域絡みの新着情報は自動的にメール配信されるようにしておき、最新の情報やチラシ追加などの情報を見逃さずに済むようにしましょう。メール通知以外にもLINEとの連携やスマートフォンアプリにすることによりスマートフォン内での通知も検討可能です。

Point.2 チラシの部分クリップ機能

チラシにはたくさんの商品が掲載されていますが、その中で気になるのはほんの一部の商品です。気になる商品の情報を確認するために毎度チラシ全体を開くのは大きな手間ですので、チラシの中の一部分だけを切り出して保存できるクリップ機能を実装します。

クリップしたものはユーザーマイページで一覧で管理することができるようにし、並べ替えやフォルダ分けをして自分が使いやすいように整理できるようにします。お買い物リストを作るのも簡単になるので利便性がより高まります。クリップ機能をそのままお買い物リストにすることもできるため、実際の買い物時や、家族間でシェアすることでおつかいリストとしても使えるのも便利でしょう。

クリップしたものが有効期限がきれているのに表示されていては不便ですし、何より情報が散らかってしまって見にくくなります。有効期限が切れたクリップ情報は自動的に隠されたり、明らかに有効でないとわかるような見せ方に変化したりするなどの対応が必要でしょう。

Point.3 お買い物リスト送信機能

チラシを家で眺めているだけでは買い物は終わりません。実際にお店に行って買い物をするという重要な作業が残っています。その際の買い忘れを防ぐのがお買い物リストです。手書きのメモやスマートフォンなどメモの方法は人それぞれですが、リスト化することは今も昔も有用な方法です。

チラシ情報をクリップ管理し、自動的にお買い物メモ化すると同時に、好きなメモを記入できるようにします。こうしてできあがったお買い物リストを簡単に手持ちの携帯電話やスマートフォンにメールで送信できるようにします。ただのリストでは味気ないので、写真や価格付きでコンパクトにまとめられるようにしましょう。

後はこのメールを見ながら買い物をするだけという簡単な操作です。自分の買い忘れ防止に活用できるのはもちろん、誰か他の人に買い物を頼む場合にはその人のメールアドレス宛に送るだけで済むので、ぐぐっと買い物が便利になります。他の人の場合は会員登録無しで利用できるようにしておけば、利用のハードルがぐっと下がります。会員登録への導線はもうけておきつつも、普段使いでは面倒な登録が不要になるように配慮するのをおすすめします。

チラシという宝探し

スーパーマーケットのチラシは一種のエンターテイメントとして機能しているように思えてなりません。お得な商品を探す作業はいわば宝探し。自分だけのチラシ情報まとめを作成し買い物へ出かけるというのは、日々の家事であり、身近な娯楽なのだと思います。

チラシ情報を豊富に掲載し充実した機能を提供することで、こうした楽しみをたくさんの人に提供することができます。情報ビジネスであり娯楽ビジネス、チラシ情報サイトのおもしろさに挑戦してみてください。

開発スタッフのコメント
ネットスーパーの普及に伴い、来店して買うという行動が減るのではないかと予想されていましたが、今の所は両者を使い分けたり、互いに共存したりしている印象を受けます。実際のものを選んで買う楽しみや、今日の献立を考えながら店内を歩くといった購買経験はまだまだ実店舗のほうが優位であり、チラシの配布から店舗への誘導という流れはまだまだ無くなりそうにありません。スマートフォン時代に即したチラシ集客のかたちをより洗練させていけるお店が、競争上の優位にたつのではないでしょうか。