巨大なマーケット、楽天市場

ネットショップを運営されている会社であれば、既に楽天市場に出店済みか、出店を検討されている方が多いのではないでしょうか。一大商圏として揺るぎない地位を築いているだけにたくさんの店舗が出店しています。当然、その競争は熾烈であり、出店すれば売れるという時代は、とうの昔に過ぎ去ってしまいました。

数万にも及ぶ店舗はそのまま競合になります。同業や同種の商品を取り扱う店と差異化するために日々の創意工夫が重要です。その創意工夫の一つとして「にぎわい感」を演出するというのがあります。お店に対する不安を少しでも軽減するのを目的とした各種施策をさし、「こんなにも買われているお店ですよ」とアピールする注文状況表示などが代表例になります。

今回のテーマは、そうしたにぎわい感を演出する各種ツールを独自構築するというものです。どのような機能をどういったかたちで実装すれば競争力につながるものが実現できるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 注文状況表示は楽天市場以外の店舗でも共通利用

ある程度の規模のネットショップを運営されている場合、楽天市場以外にも独自ドメインのお店を運営されていることも多いのではないでしょうか。楽天市場のためだけににぎわい感演出ツールを利用するのは勿体ない話です。ここは全店舗で使えるように機能開発しましょう。

表示自体はiframe呼び出しで共通化し、表示内容も全店の受注データを基にして内容が随時更新されるようにします。何が売れたかといつ、いくら売れたのかといった受注自体に関する情報と、個人を特定できない範囲での注文者情報として、注文者の都道府県を表示します。こうした注文状況が5分おきにでも内容更新されるだけで、ぐぐっと「売れているお店」というアピールが可能になります。最初のうちはあまりに注文数が少なくて寂しいようであれば、表示対象の件数を直近数日ではなく数週間といった単位にすることも可能です。

モールによっては全く同じ形式で掲載できない場合も想定されます。そうした場合にはモールごとに出力する形式を変えられるようにするのも良いでしょう。

Point.2 売れ筋ランキング+アクセスランキングも生成

楽天市場にはジャンルごとに売れ筋ランキングが存在します。商品がランキング入りしていることはとても有効な情報になるので是非とも売れ筋ランキングは表示しましょう。

定期的にランキングデータを調査、取得するプログラムを開発し、最新のランキング情報に自動的に更新されるようにします。ここまではやっているお店も多いですが、さらにランキングを充実させるのであれば商品のアクセスランキングも同様に作成可能です。

楽天市場店や独自ドメイン店の商品ごとのアクセス情報を集計し、アクセス数の多い順にランキングを自動作成しショップ上に掲載します。売れ筋とはまた違った商品が登場することになり、注目度の高い商品のさらなる拡販につながります。人が注目しているということはそれだけもっと売れる可能性のある商品ということなので、ここを自動化して拡販につなげられることができれば、経営上のメリットは大きいものがあります。

楽天市場店のデータは楽天RMSから、独自ドメイン店のデータが簡単に利用できない場合はGoogleAnalyticsのデータを自動で読み込み解析するプログラムを開発することで対応します。どちらにしろ人力での対応が不要なようにすることで、ショップをフレッシュに保ちながらも手間は減らすという状態を実現しましょう。

さらにランキング取得をアピールする画像デザインが定型的なものであれば、そのバナー画像の生成までもシステムに委ねてしまうのも一つの方向性です。取り扱っている商材が多い場合、ランキング掲載をアピールするだけで対象商品が多いために膨大な業務量になります。ある程度デザイン割り切ってでも、画像生成を自動化する価値はあるでしょう。

常に改善改善改善

楽天市場は非常に規模の大きいマーケットであると同時に競争のとても激しいマーケットでもあります。そういった環境で生き残っていくためにはただひたすら改善を続けるしかありません。

とはいえ、改善を繰り返すことで現場の負担が増えていっては意味がありません。現場の負担を維持もしくは減らすかたちでネットショップの魅力を高めていくことに経営手腕が試されているのではないでしょうか。

開発スタッフのコメント
にぎやかしアイテムは、その商品画像と商品名、売れた時間等を表示して終わり、というものが多いです。使える情報はそれほど多くないのとスペースも限られるためにこうした実装になるのはわかるのですが、興味や購買欲を刺激するのであればもっと提案力のある構成にすることも可能です。商品ページからキャッチコピーを抽出して表示したり、あらかじめ設定した文言を表示したりとアプローチは様々です。使いやすい情報以外の情報も活用することで、もっと魅力的な提案パーツになりえると言えるでしょう。