転ばぬ先の保険

インターネット専業の生命保険会社も登場するなどして競争が激しくなっている生命保険業界。各社がそれぞれの狙いをもって様々な商品を展開しています。全ての商品について精通することは不可能なのではないかというぐらいの商品数と、変更や更新が頻繁にあります。

いざ保険商品を比較しようとしても各社から資料を全部問い合わせるのは現実的ではありません。ほとんどの人が特定の保険会社の中から選択しているのが実状ではないでしょうか。「知り合いから営業を受けたから・・」「付き合いがあるから・・」という営業ベースでの選択もまだまだ根強いとはいえ、比較検討の主戦場はインターネット上に移行していると言っても過言でもないでしょう。

そんな時代背景の中人気を博しているのが保険商品の比較情報サイトです。情報の編集や整理を代わりにやってくれているため、一定の基準で保険商品を会社横断的に比較できたり、そのまま資料請求を簡単に行えたりといった便利な機能が備わっています。

今回のテーマはこうした保険情報サイトの管理システムについてです。どのような機能を盛り込みシステムを構築するべきか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 保険会社の表示順を自動で最適化

比較情報サイトの収益源は広告掲載による広告収入や、資料請求数に基づく成果報酬などが挙げられると思います。こうした収入を高めていくためには、サイト上での細かな最適化が重要になってきます。公式サイトをいくつか見れば事足りるような情報の量と質であれば、存在意義がありません。

比較サイトである以上、複数の保険会社の複数の商品を掲載していると思います。その商品掲載順で少なからず資料請求に代表される転換数が変化します。ここを人力で更新するのではなく、システムの力を借りて更新しましょう。

具体的にはユーザーによる注目率という指標と、その資料請求を1件獲得することの優先度の両方を天秤にかけたうえで表示順を変化させていきます。一定期間は任意に設定した上で、その一定期間の間での成果を比較して表示順を変更するイメージです。こういったデータに基づいた表示調整はシステムが得意な分野です。どういった情報を根拠にするかは変更していけるので、継続的に改善していくことが可能です。

もちろん、利用者から人気も注目度もあるけど、商売的にはこっちの保険商品の資料請求をして欲しいという場合もあると思うので単純な人気度だけでは算定していません。ビジネスの側面と需要に応えるという側面の両方のバランスをうまくとっていきましょう。

Point.2 すぐに見たい!に答える電子資料機能

この機能は生命保険会社との協議が必要にはなりますが、資料請求のタイムラグを嫌う利用者に対して電子版の資料を送付する機能を実装します。個人情報の取得無しに資料がダウンロードできると生命保険会社からの報酬が成立しない場合も考えられるので、紙の資料と同等の入力を行った上で紙か電子版かを選択できるかたちにします。特に生命保険会社側からそうした縛りがない場合には、PDFでの配布や、ビューワーを用いた閲覧方式でも良いでしょう。電子版での対応は何よりスピードよく相手に情報を届けることが可能になります。

電子版は著作権保護をつけ、ブラウザでのみ閲覧できるかたちで提供し、利用者が勝手に配布できないようにします。資料請求を待っている間に熱が冷めてしまうことを防止し、すぐに検討したい気持ちに応えましょう。

Point.3 独自のメルマガで囲い込みを

メールマガジンと聞くと、既に時代遅れのように聞こえるかも知れませんがまだまだ現役です。利用者との継続的な関係を構築するためにこれ以上のツールはないと言っても過言ではないかもしれません。

管理システムにメールマガジンの管理機能も組み込み、サイト上で利用者が簡単な操作で購読できるようにします。内容は保険に関するお得な情報にし、内容にはしっかりと投資をして読まれるメールマガジンにしましょう。配信手段はメール以外にも、LINE公式アカウントの仕組みを使用するのもよいでしょう。もちろん、すでに生命保険を契約しているのに延々と送られてくるのは困る、という場合に備えて、簡単に配信停止が行えたり、また配信を再開したりといった管理が簡単に行えるようにしておくのも良いでしょう。

資料請求をすると利用者との関係は終わりというサービスが多いですが、直接コンタクトをとれる手段を確保しておくことは、その利用者のリピートにもつながりますし、誰かに紹介してもらえる機会が増えることにもつながります。焼き畑農業型ではなくきちんと土地を育てていくアプローチに取り組んでみてください。

情報源としての正確な価値提供を

ビジネスを重視すると公平性が失われ、公平性を重視するとビジネスが成長しない。情報サイトの宿命とも言えるこの対立ですが、長い目で愛される存在でいるためにはやはり正確でいて中立な情報提供に勝るものはありません。

例え地道であっても中立公正な範囲内でビジネスを最適化していくことこそ王道であり最善の選択肢だと思いますし、十分な成長可能性は存在しています。真正面から利用者に向き合い続ける経営から逃げないあなたを応援しています。

開発スタッフのコメント
電子資料の提供形式には様々な手法がありますが、当然のようにスマホ対応が求められます。操作感が悪くて申し込みが減ってしまっては元も子もないので、あくまで操作性は犠牲にしないかたちで、各方面が納得できるかたちを模索すべきです。チャットツールなどと組み合わせると、さらに興味を育成できる場合がありますので、比較サイトだからこそ、サポートを手厚くする方法も検討してみてください。