街の癒しスポット
どこの地域でも見かける接骨院。鍼灸を名乗っていたり、整骨院と呼ばれていたりと様々ですが、柔道整復師による施術が受けられることから高齢者を中心に若者まで幅広く利用されています。毎日利用しているような人も少なくなく、もはや治療院というよりは地域のコミュニティとして機能しているところもあるでしょう。
こういった院ではそこまでIT化が進んでいるわけではありませんが、院長が若い院を中心にWEBサイトでの情報発信が充実していたり、ブログを一生懸命更新していたりと、将来的な主戦場がインターネット上になる予兆を感じさせるものがあります。Youtubeチャンネルを立ち上げて動画でアピールをしているところも増えてきました。接骨院は狭い地域に乱立しており、何かのけがで探す時はまずインターネットで、という人も多いのではないでしょうか。
今回のテーマはこうした鍼灸院、整骨院、接骨院の予約管理システムについてです。予約単体で存在するというよりかはWEBサイトと統合するかたちで稼働し、スムーズに施術予約まで進行することができるかたちを想定しています。どういったポイントに注意して構築し、機能を実装していくべきか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 予約、予約確認をスマホで簡単に
予約を行うフロー自体は一般的な流れです。最初こそ会員登録が必要ですが、あとはログインをして希望の日時を選択し予約ボタンを押すだけです。既存客を多く抱えている院であれば、最初の会員登録はスタッフ側が代行してしまってログイン情報を常連さんに手渡すといった対応も有効です。
予約はスマートフォンでも行えるようにし、現在の予約の消化状況を予約確認画面から確認できるようにします。もちろん予約が滞りなくさばかれていくことが理想ですが、不測の事態により時間がおしてしまう場合も考えられます。施術の進行状況をシステム上に反映できるようにし、自分の順番が後何分ぐらいでやってくるのかをリアルタイムに把握できるようにしておきます。
院内が十分に広ければ院内で待ってもらうのもいいのですが、スペースがそこまで広くない場合にはこうした待ち時間機能をうまく使って、できるだけ家や外で待てる体制を作り上げておくのも良いでしょう。街中の院であれば、周辺で時間をつぶしておきたいというニーズもあり得るので、こうした待ち時間機能は喜ばれることも多いでしょう。
Point.2 新メニューを魅力的にアピール
接骨院はお客さんも施術内容も固定化しがちです。施術中に新しいサービスメニューの案内をするのはもちろん有効ですが、WEBサイト上でもしっかりとアピールができるようにします。
具体的には相手の利用状況にあわせてサービスメニューのお試しを提案するようにします。いつもの時間帯で予約したお客さんに「こちらもいかがですか」といった具合にお試し価格に設定した新サービスメニューを提案するイメージです。あまり売り込みすぎると「あそこは商売っ気が強い」ですとか「あの店は変わっちゃったね」という評判につながってしまうのでほどほどが重要ですが、良いサービスであればしっかりとアピールすべきです。院内の掲示物でさりげなくアピールするのも良いですが、スタッフが直接一押ししたほうが成約率が高まることも多いと思います。
提案するメニュー登録や価格設定、さらにはどういったお客さんに表示するかといったところまでシステム上で設定できるようにしておき、ITに詳しくなくても管理画面上からの操作だけで設定・運用ができるようにします。
Point.3 お身体いかがですが通知を自動送信
いつもは毎日のように通ってくれていた常連さんが最近こなくなった、という場合の掘り起こし策として、「お身体いかがですか」といった内容のメールを自動送信する機能を実装します。自動送信は少し怖いという場合は、システムが自動で送信対象として抽出した送信先候補に対して手動で内容を作成して送信するといったかたちも可能です。ハガキを送っているところも多いと思いますが、コスト面の負担が大きいのも事実です。すべてをメール化する必要はありませんが、ハガキやメール、LINEなど、複数のチャネルをうまくミックスすることで費用対効果を高められる場合があります。
定期的にコミュニケーションをとることで来院を促すことができますし、他の院に流れることを未然に防止する効果もあります。手動での対応では時間ばかりがかかって回らなくなってしまうので、システムを最大限に活用しましょう。
一歩先の未来への投資を
今、この時点ではそれほどITを駆使しなくても戦っていけるのかもしれません。メインとなる客層がそもそもITに疎い世代ということもあり、業界全体はまだまだインターネットを活用した差異化に積極的ではないように感じます。
だからこそ、今この状況で一歩先のために投資することに意味があります。皆がやり始めてからでは効果が薄くなりがちですので、先行投資としてのシステム投資をお勧めします。