遠隔での意見提供
健康増進という言葉が大きな意味を持つようになってきました。それに伴い、多種多様な健康関連サービスが勃興しています。これもニーズの多様化と言えばそれまでですが、インターネットの普及と相まって、以前では難しかったビジネスが成立するようになってきているとも言えます。
遠隔で健康に関する相談がしたいという人のニーズを捉えたサービスが、WEBサイト上でやり取りをする健康相談サービスです。医師やそれに準ずる人が回答者となり、利用者から寄せられた質問に対して回答を行います。ケースによってはそのまま来院を促すといったかたちで運営しているところもあるようです。サービスもそれ専業でやっているところから、医院が副サービスとして展開している例まで様々です。
リモート診療というものへの抵抗感がかなり弱まっており、医療機関が近くにない地域はもちろん、都市部でも時間がないときや、時間外での対応に部分的に使われたりと、様々な使われ方が拡がっています。
今回のテーマは、こうした健康相談を有料で行うサービスの管理システムについてです。回答者と利用者をスムーズにつなぎ、課金までしっかりと統合して運用するためには、どういったポイントに気を付けてシステムを構築すべきか、整理してみましょう。
Point.1 ポイントチャージ制で質問をスムーズに
利用者が質問をしようとしたとき、毎回毎回決済を促されるとどうしても意欲が下がってしまいます。そういった決済による意欲低下を防止する策としては、事前のポイント購入が有効です。
数回分の質問に利用できるポイントを事前決済することで、いざ質問しようとするときには支払いを意識しないで済みます。最初に利用するという一番気持ちが高ぶっているときに数回分の利用料を買ってもらうことができるので売上UPにもつながります。また、確実に前払いで金額を回収することができますので、キャッシュフロー的にも経営に優しい仕様になります。
事前ポイントは逆に初回購入のハードルがあがってしまう場合もあるので、トライアル施策と組み合わせることでその効果をうまくバランスする必要があるかもしれません。ポイントを必要なだけ都度購入する機能もあわせて準備した方が良い場合もあるでしょう。全体の価格戦略、販促企画と連動させながら検討してみてください。もちろん、カード情報を登録しておいて、決済だけを毎回スムーズに行うことも可能です。そういった場合にはカード情報は決済代行会社側にしか保存しないようにすることで、万が一の際のセキュリティリスクを低くすることができるでしょう。
Point.2 回答者ごとに上限数を設定可能に
回答者となる人をシステムに登録する際に、その人の1日あたりの上限回答数を設定できるようにします。共通の設定値で常に運用するのもありですし、曜日や日ごとに別の上限値を設定することも可能なようにしましょう。意欲的な人には無制限、といった設定ができるようにするのも良いかもしれません。
曜日によって回答上限数に達した場合は質問自体を締めきるようにし、回答能力以上に質問数が積み上がっていくのを未然に防止します。利用拡大という視点では回答を締めきらずにひたすら受け付けるのが正しいという考え方もできますが、あくまで質の高い回答ができる範囲に受付を絞り込むというのが有効な場合もあります。サービス自体の目指す方向性に応じてシステムが柔軟に対応できるようにしておきましょう。
都度払い以外に、月額課金型にする場合は、プランで日当たりや月当たりの質問数で制限するのも有効です。よく利用する人は質問数も比例して増えるはずですので、フリーミアムも含めて複数のプランを展開する場合には有効でしょう。
Point.3 履歴は保持し、回答者の回答作業をアシスト
こういったサービスで一番負担がかかってくるのは回答者です。一回きりの質問に対して回答するのはそれほど骨が折れる作業ではありませんが、時間を追っての複数の質問や、同一利用者の違った角度からの質問など、背景知識を改めて整理する必要があり、回答作成にも時間がかかってしまいます。この部分は回答者満足度にも直結するため、システムとして積極的に機能開発してサポートすべきです。
こうした回答者の負担を軽減するために、回答者が回答を作成する画面には質問者との過去のやり取りや関連する質問など、様々な補助情報を表示します。詳細を確認したくなったら1クリックで該当の情報にアクセスできるので、回答作成の際に必要な情報収集・整理作業が大幅に省力化されます。回答者の負担を減らせれば上限回答数も増やすことができサービスの拡大につながります。回答者関連の機能にはいくら投資しても投資すぎることはありませんので、積極的に投資しましょう。
相談できる安心感を
世の中には様々な事情を抱えた人達がいます。そうした人達にとって、たとえ有料であっても信頼できる相談相手が存在することは大きな救いになります。質と規模を両立するのは困難が伴いますが、絶え間ない業務改善とシステム改善があればきっと実現できます。あなたの挑戦、応援しています。