縦と横のつながり

インターネットによる情報発信が当たり前になり、部活動やクラブ、サークルでWEBサイトを設けることが当たり前になってきました。ブログで情報発信だけしている例もあれば、会社サイト顔負けの充実した内容のものまで様々です。新しいメンバーを獲得するには存在を認知してもらうことは重要なだけに、WEBサイトのみならずソーシャルメディアを積極的に活用しているところも多いのではないでしょうか。

代々引き継がれていくものだけに、特定の人しか触れないのでは困ります。更新を簡単にしつつ、誰に読んでもらうかを明確にした上で構築、運営していくことが重要ではないでしょうか。引き継ぎなどの特有の問題もあります。ほったらかしでは機能しないだけに、きちんとした運用の仕組みも含めて考えるべきなのは言うまでもありません。

今回は、こうした部活動やクラブ、サークルのWEBサイトを管理するシステムについてです。どういう機能とどういう仕組みで運用していくべきか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 Wordpressをベースに構造カスタマイズ

運営を代々引き継ぎ、ITに詳しくない人でも運用できるようにするとなると、現時点ではWordpress一択と考えてもいいと思います。あまりの普及度から攻撃対象になることも多いのでしっかりとしたセキュリティ対策と継続的なアップデートは必須ですが、それを補っても余りある有用性があります。運用体制も、様々なレンタルサーバーが対応しているため、低コストで安定的に運用しやすい環境が整っていると言えます。

サイトの土台をWordpressで構築し、トップページに表示される新着情報なども、記事をアップすれば自動的に更新されるようにしておきます。新着情報もお知らせや試合結果など適切にカテゴリ分けすることで訪問者の見やすさ、探しやすさに配慮しましょう。ある程度ITに詳しい学生であれば、毎年ではないにしろ、デザインリニューアルも視野に入ってきます。Wordpressは参考書籍も充実しているので、そういった運用の先にある展開にも非常に効果を発揮してくれるでしょう。

Point.2 寄付機能を設けてオンライン決済可能に

歴史の長い部活動であれば、OBからの寄付金を集めているところも多いでしょう。そういった寄付金の受付もWEB上で完結するようにすることでOBの利便性も、現役生の作業負担も軽減することができます。寄付ページはしっかりと作り込むべきですし、寄付してくれる人に、「寄付してよかった」と思えるようなコンテンツ発信も強化すべきです。

支払い手段を銀行振込にするのは銀行口座情報を掲載するだけなのでいつでも誰でもできますが、クレジットカードに対応することで寄付をする側の利便性を高めることができます。寄付金のためにカード会社との大がかりな契約を行うのは毎月かかる手数料の面からも合理的ではありませんので、PaypalやStripeを利用することで寄付毎の少額の手数料だけで運営できるようにします。

決済という最も気を遣う部分を決済会社にアウトソースすることができるので、寄付金をカード決済というかたちで集めながら気軽に運用を続けていくことができます。寄付履歴も各決済サービスの管理画面上で確認可能なので、何かしらの報告書作成や団体収支を作成する際にも便利です。

Point.3 同一サーバー上にグループウェアも設け利便性UP

このあたりの機能は必要に応じてですが、メーリングリスト機能や共有フォルダ機能に代表されるグループウェアを同一サーバー上に設定することも可能です。

ファイルのやり取りやスケジュール管理など、情報共有が特に重要な団体であれば検討の価値があります。もちろん、GoogleAppsに代表されるグループウェアサービスがたくさん存在していますので、そういったサービスを使用するのもお勧めです。

最近はLINEのグループだけ、というところも多いと思いますし、それで事足りるケースがほとんどかもしれません。ただ、ファイルをやりとりしたり、何か、履歴をしっかりと残していきたいとなると、他の選択肢も検討の余地があります。本格的なグループウェアとまではいかなくとも、必要な機能だけかいつまんで利用するというのも有効かもしれません。

受け継がれていくWEBサイトを

部活動やクラブ、サークルはどうしても代替わりがあるため、受け継いでいくということが難しくなります。かといって各世代が好き勝手なことをやっていては情報が分散し、縦のつながりがどんどんと希薄になっていってしまいます。

受け継げるかどうかの決め手は簡単さと、受け継ぐことを前提にした運用ルール作りです。Wordpressをベースにすることで比較的簡単にこういったことが実現可能ですので、お悩みの方は一度検討してみてください。

開発スタッフのコメント
寄付がからむ以上、どうしても金銭トラブルが起こりがちです。運用を担当するスタッフを信頼すべきという話ですが、代替わりも想定するとセーフティネットをはっておくべきです。運用上でできる工夫としては寄付の受付に使用しているPaypalアカウントをグループメールアドレスにしておき、各種通知が都度メールで届くようにしておき、常に何かしらの操作に複数人が気付く体制にしておく等が考えられます。複数人が結託した場合等、それでも防ぎきれない場合もありますが、抑止力を高めていく工夫は色々とできますので、検討してみてください。