魅力ある情報提供
日本各地にショッピングモールが乱立する時代になりました。たくさんのお店が入り、週末には家族連れで賑わう様は、まさに総合エンターテイメント空間。買い物から食事、映画まで、多種多様なサービスが展開されています。毎週末はモールの周辺では交通渋滞、というのはよく聞く話で、その圧倒的な集客力は他の追随を許しません。
そういったショッピングモールの顔とも言えるのがWEBサイトです。事前に場所を調べる人もいれば、お気に入りのお店が入っているかをチェックするために訪れる人もいるでしょう。駐車場の空き状況を調べるために行く前にチェックする人もいたりと、その利用のされ方は色々です。オープン情報を掲載したり、メールマガジンを配信したりと、情報発信を行っているケースも多いでしょう。
今回のテーマは、そうしたショッピングモールのWEBサイトを管理するシステムです。サイトとしてシステムとして、どういったポイントが重要になるか整理してみましょう。
Point.1 Wordpressをベースに更新の容易さを担保
ショッピングモールのサイトは情報更新が定期的に必要になります。イベントのお知らせやお店のオープンやリニューアル情報など、その度に業者に外注していてはコストばかりがかかってしまいます。何より依頼してから出来上がるまでのタイムラグがあるため、販促スケジュールとの兼ね合いで身動きが取りにくくなることもよくあります。
そこで、HTMLに詳しくない担当者でも簡単に更新できるよう、Wordpressをベースにシステムを構築します。お知らせの更新などは該当箇所を文字で編集するだけで更新できるようにすると共に、ショッピングモール全体のスタッフブログのようなものも展開可能にします。
Wordpressは大量アクセスには弱い側面もあるため、キャッシュをいかしたパフォーマンス改善に取り組みましょう。プラグインレベルの対応から、もう少し上のレイヤーでの対応まで、快適に閲覧できる環境作りのためにできることはたくさんあります。特定の時間にアクセスが集中する場合など、パフォーマンスには非常に気をつけるべきです。
Point.2 負荷対策はサーバーレベルで
ショッピングモールのサイトは、時期によってはアクセスが集中することが予想されます。そういった場合にサーバーがダウンしていては大きな機会損失ですし、かといって過剰なサーバーをレンタルするとコストがどんどんかかってしまいますので無駄です。
WordPressで効率的にアクセスをさばくための方法はいくつかあるのですが、サーバーレベルでのチューニングが最も確実です。一般的なApacheではなく、Nginxを用いてWEBサーバーを立ち上げ、Wordpressをその環境にあわせて最適化します。こうすることで高負荷に強いサイトができ、たくさんアクセスも最小限のサーバーコストでまかなうことができます。
また、最近ではAWSなどのクラウドサービスを使い、自動で処理能力を増減してくれるオートスケーリングの機能を活用することも視野に入ってきます。コストはあがってしまいますが、こうした便利な機能はどんどんと充実してきていますので、IT部門の負担を減らすことができるのであれば積極的に検討すべきでしょう。サーバーをそもそも管理したくないといった場合にはサーバー運用の手間を軽減するマネージドタイプのサービス利用も検討してみてください。
Point.3 管理画面もスタッフ向けにカスタマイズ
WordPressは初期状態では様々な機能が搭載されています。とはいえ、その機能を使わない人にとっては意味がありませんし、むしろ邪魔になる場合があります。こういった状況を打開する方法として、スタッフの権限をコントロールすることで表示をシンプルにすると共に誤操作を防ぐこと、また、管理画面をカスタマイズして表示項目を最適化することが考えられます。
使わない機能を削ぎ落とすことは他にもメリットがあります。Wordpressはバージョンアップが非常に活発ですが、依存するプラグインが少なければ少ないほど、そのバージョンアップに追随する際のリスクが下がります。セキュリティ問題はバージョンアップによって修正されることが多く、常に最新版を使い続けることがWordpressを利用する上では最善です。身軽に、そしてシンプルにシステムを保つように心がけることがおすすめです。Wordpress標準の機能でも実現機能をわざわざプラグインを使っているという場合もよくあるだけに、そういった場合にはプラグインにダイエットも行ってみてください。
どちらも地味な改善ですが、長く運用する中でのミスを少しでも減らす工夫です。大事に至る前の予防線として重要ではないでしょうか。
デザインは楽しく、システムは筋肉質に
ショッピングモールのサイトのデザインはとても重要です。時にリニューアルをしたりしつつ鮮度を保つ必要があります。
その一方で裏方なる管理システムはシンプルで筋肉質、それでいて長く使えるべきです。コストをかけて独自システムも良いですが、よほど複雑なことをしたい場合を除き、Wordpressでの構築が現実的かつベストだと思います。
WordPress特有のセキュリティ対策等も必要になります。Wordpressをベースにお考えの場合、お気軽にご相談ください。