表現を競い、楽しむ
写真を趣味にする人が増えています。風景写真を愛する人から、乗り物をひたすら追いかける人、はたまた建築物を撮ったり、人物写真に凝ってみたりと、本当に撮る対象は様々です。本格的なカメラの性能も、スマートフォンのカメラの性能もどんどんとあがっており、写真を撮るという行為もどんどんと気軽に、大量になっている印象です。
自分で楽しむ+親しい人とで楽しむといったレベルからはじまり、次第にもっと多くの人に見てもらいたいと思うようになることもあるようです。作品展に出品するまではいかなくても、ちょっとした写真投稿キャンペーンに応募するといったぐらいなら抵抗のない人も多いのではないでしょうか。スマートフォンを持つ人すべてが表現者であるという時代がもう来ていると言えるかもしれません。
今回のテーマは、ユーザーから写真をアップロードしてもらい、ギャラリー的に表示するオンライン上のギャラリーサイトのシステムです。どのような仕組みにすればたくさんの人が楽しくサービスを利用できるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 マイギャラリー機能を充実
投稿型ギャラリーサイトというと、テーマに対してしか投稿できなかったり、アップロードできる枚数が少なく制限されていたりする場合が多いようです。画像をアップロードするユーザーの視点でいけば、そんな単機能のサービスのために本腰をいれて画像をたくさんアップロードしようという気にはなかなかならないのではないでしょうか。容量によって運営コストが変わるのは仕方ないのですが、ストレージにかかるコストを低減する工夫とのバランスを取れないか模索すべきです。
ドラッグアンドドロップによるアップロードはもちろん、大量の画像を簡単にアップロードできるようにすべきです。写真のタグ付け等、必要に応じて実装検討してください。
まず、マイギャラリーとして使えるような機能を充実させます。具体的には枚数制限の緩和を行い、他の人に案内できるように自分専用のURLを発行、また、グループ分けをしてそれぞれがスライドショーで見られる等の写真管理サイトとしての基本機能を実装します。何よりも写真管理の中心として使ってもらえるようにこれでもかというレベルに充実させましょう。
Point.2 サービス内で定期的に写真展を開催
写真管理ができるだけではいくらでも他にサービスが存在しています。ギャラリーサイトと銘打つ以上、定期的に運営会社主催の写真展を開催しましょう。サービスが人気を博し認知度が向上してきた際には、スポンサー主催の写真展の開催も可能になってきますが、運営会社主催のものはベースとして開催し続けるのをお勧めします。
その写真展に応募するためにはユーザーであれば誰でもできるようにします。ユーザーはマイページから写真を選択し、写真展に応募するボタンをクリックするだけで出展できるようにします。昨今、人の画像を勝手に使う、というケースも多くなっているため、応募時にはあらためて注意を促し、自身が撮影した画像であることを確認するフローをいれるべきです。また、万が一の場合に備えて、異議申し立てが簡単にできるようにしておくことで、侵害があった場合の解決がスムーズになる場合があります。もちろん、公序良俗に反するような画像がアップロードされた場合に備えて、運営側でのフィルタリングも必要になるでしょう。
写真展は全員掲載のパターンと選考が入るパターンの両パターンを準備し、掲載される写真はユーザー名とその人のギャラリーへのリンク付きで紹介されます。写真展のページへはサービスのトップページはもちろん、随所にテキストや画像でリンクを設置することでアクセスを誘導しましょう。
Point.3 お気に入り登録機能でコミュニケーション促進
ユーザー登録をしていれば、気に入ったギャラリーをお気に入り登録することができます。相手のギャラリーで簡単なメッセージを残すこともでき、自分のテイストと合った他のユーザーとの写真を中心としたコミュニケーションが行える土台を構築します。自由に長文をいれることができると、それだけ炎上するリスクも高まりますので、コミュニティづくりの指針をどうすべきかに応じて、自由な記述を許すのか、いいね、のようなアクションだけに限定するのかは判断してください。
長いメッセージを送れるようにするとトラブルを生みかねないので、あくまでショートメッセージの域を出ない範囲でコミュニケーションができるようにします。お気に入りに登録されている数はマイページに表示され、さらなる写真活動への創作意欲を下支えします。
表現欲を満たし続ける場所に
趣味に限らず、人は何かを表現する生き物です。その表現の場を提供することはとても素晴らしいことだと思います。
場作りで重要なのは、ユーザーに永く利用し続けてもらうことです。そのためには収益的にはマイナスな機能実装も時には厭わない姿勢が重要になってきます。場作りという大きなテーマに、是非挑戦してみてください。