多数の参加者を巻き込むプラットフォーム
人は投票するのが好きな生き物です。好き嫌いを明確にし、同じ意見を持つ人を無意識の内に求めているのかもしれません。その本能に着目してか、プロモーションの一環として投票型のコンテストを開催する企業が多くあります。広く作品を募集し、その作品を特集ページに掲示。その作品に対してさらに多くの人が投票を行い競い合うという構図です。
ソーシャルメディアとの親和性も高いため、拡散効果を狙ってキャンペーンを展開する企業も多くあります。簡単な投票だけのものから、投票行為自体をエンターテイメントにしているものまで、様々なスタイルのサービスが登場してきています。
うまく商品やサービスのイメージに沿ったテーマを設定することで、PR効果やブランドの浸透効果など多次元の効果を狙うことができます。今回はそんな投票型のサイトを支えるシステムについて考えてみたいと思います。
Point.1 投稿のハードルを徹底的に下げる
投票型のコンペ・コンテストを開催するにあたり、まず何より作品が集まらなくては話になりません。少しでも興味を持ってくれたクリエイターがスムーズに投稿までいけるよう、投稿に必要なステップは極限まで少なくします。また、あれこれと登録段階で情報を取得したくなりますが、ここはぐっとこらえて、より簡便に作品投稿ができるようにすべきです。必要な情報は必要なときに取得すれば十分なはずなので、情報登録を毛嫌いされて作品が集まらないという事態にならないように注意してください。
具体的にはFacebookやX(旧Twitter)のアカウントでログインできるようにし、追加で主催者側が設定した登録項目に答えるだけで作品を投稿できるようにします。作品投稿者用の管理画面も設け、自分の作品の審査状況や、投票の獲得数など、見ていて楽しくなるデータを提供します。さらに割り切るのであれば、メールアドレスの登録だけで投票できるようにするのも検討の価値はありません。大量の捨てメールアドレスによる投票操作のリスクは高まりますが、ハードルを下げるという意味では効果が期待できます。
Point.2 投票も精度高く簡単に
作品の投稿のみならず、投票も簡単にします。といっても投票を簡単にすることはそのまま投票数操作がしやすくなるというリスクも抱えますので、ここでもFacebookやInstagram、X(旧Twitter)のアカウントログインを必須にし、簡単でありながら公正な投票を担保します。どこまでいってもある程度の不正は不可避ではありますが、不正率が10%なのか1%なのかでは大きな差があります。少しでも対策を施すことで、一桁でもその不正率を下げる努力を行ってください。
もちろん、複数のFacebookアカウントを持っているような本気の不正投票者も想定されるので、従来ながらの同じIPアドレスからの接続やパソコンの環境、投票のパターン等から不正投票と思われるものをシステムが検知するように構築しておきます。このあたりはどこまで厳しく投票を制限するかの方針によりますので、主催者側の方針に応じて柔軟に対応します。
一方で精度をあげようとすると投票のハードルが高まってしまいます。ソーシャルログイン自体に抵抗がでる場合も予想されるので、情報が公開されない旨を表示するなどして、無用な不安を煽らないようにする配慮も必要でしょう。
Point.3 自分の応援しているものを拡散しやすく
投票状況に応じて、自分が応援しているものを何とか1位にしたくなるのが人の心理です。その心理をスムーズに行動に移してもらえるよう、投票ページ内に、「応援依頼をする」のようなリンクをもうけ、簡単に知り合いへのツイートやFacebook上の宣伝が行えるようにします。そうすることで、応援依頼を受け取った人への波及効果が見込めますし、ソーシャルメディア上でハッシュタグが飛び交うようになれば、そこからさらに多くの人の興味を引くことにもつながります。
また、投票数という定量的なものだけでなく、X(旧Twitter)上での盛り上がりなどの定性的な情報も簡単に確認できるよう、投票ページ内でインラインフレームで関連ツイートを読み込み、盛り上がり感を演出します。
埋もれた才能と盛り上がりたいユーザーを結びつける
作品を多く集め、沢山の投票者を集める。この鉄則以外にも、サイトのデザインや操作性、メッセージの作り込みやイメージ戦略、認知を高めるためのPR戦略など、考えるべきことは山ほどあります。
作品や投票を管理するシステム自体はテーマに関係なく使い回しが可能なので、突貫工事でそのコンテストにしか使えないシステムを構築するよりかは、しっかりとした設計のシステムを構築するほうが短期的にも中長期的にも費用対効果は高まるはずです。
デザインのコンペ、川柳のコンテスト、その他イラストやムービーなど、テーマの種類も幅も無限です。投票というユーザー参加型の手段を通じて自社の商品・サービスを拡販したい企業様、お気軽にご相談ください。