専門職との橋渡し
個人でも企業でも、士業の方達との接点というのはなかなかありません。運良く出会いがあったり、紹介があったりした場合は別ですが、基本的には孤立無援の中、少しでも良い人をと探し求めるしかないのが実状ではないでしょうか。また、一度関係ができてしまえば、よほど不満足でない限り、なかなか切り替えを行わない性質もあります。いかに多くの顧客候補と良いかたちで接点を持つかが司法書士にとっては重要であることは言うまでもありません。
最近ではそうした専門家とのマッチングサイトも増えてきましたが、ニッチはまだまだ残されていると思いますし、機能や切り口で差異化することも可能です。
今回のテーマは司法書士のマッチングサイトをどのように制作し、その裏側のシステムを構築すべきかです。いくつかのポイントにわけて、ビジネスとしてのマッチングサイトをどのように構築すればよいか考えてみましょう。
Point.1 しっかりアピールできる編集性を
登録されている司法書士が編集する場合はもちろん、スタッフが代わりに行う場合でもどれだけの情報を見やすく魅力的に伝えることができるかが、その司法書士のアピール度にも直結しますし、積み重なってサイト全体の充実度にも直結します。ただ名前と所在地だけを掲載したページと、自分の強みや実績をしっかりアピールしたページとがあれば、どちらが選ばれるのかは明白です。
従来の文字中心の編集性ではなく、独自の管理画面上でHTMLに詳しくなくても画像あり、メリハリありのページを作れるようにします。一方で最低限の情報を素早く掲載するために、固定フォーマット部分も設け、自由編集部分の華やかさと固定編集部分の効率性の両方のメリットを活かします。画像のサイズ変更や形状変更も管理画面上で行えるようにし、OSやパソコンの種類などの利用環境に依存しない編集環境になるよう配慮します。今の時代であれば当然のようにスマートフォン対応は必須でしょう。さらに応用であれば、英語などの多言語対応をできるようにするのも良いかもしれません。
司法書士がITに強いとは限りません。ITスキルに関係なく、豊富な情報掲出ができるようにすることで、サイト自体の魅力も、司法書士とのマッチング率も高まることが期待できます。
Point.2 個別質問機能やQ&A機能などコミュニケーションを促進
固定的な情報だけ掲載していても、なかなか依頼までのハードルが高いのが現状です。「この人で解決してくれるかな・・・」と不安に思うのが普通ではないでしょうか。少しでも不安が頭をよぎるとそこで申込みを止めてしまうので、自然と次のアクションに移ってしまうような仕掛けが必要です。
正式な依頼までのハードルを低めるために、個別に質問を送信できたり、司法書士側でもあらかじめQ&Aを用意したりできるようにします。サイト内でコミュニケーションが発生するようにすることで、見込み客を増やし、ミスマッチを減らします。司法書士側がオンラインである時間が長いのであれば、簡易的なチャット機能を用意するのも良いでしょう。オンライン時間外は受け付けない前提にはなりますが、すぐに相談できて回答がもらえるというのは、サービス利用者にとっても有益な機能です。
早いレスポンスは最終的な購買率を高めるという研究もあるようなので、スピードある対応を司法書士が行えるようなサポート機能の導入は意味があると言えそうです。
Point.3 ユーザー評価で、紹介の精度もUP
掲載することに対してお金を頂戴するビジネスモデルの場合も「お勧めの司法書士を紹介して欲しい!」と言われることがあると思います。また、紹介したことに対して成果報酬を頂戴するビジネスモデルなら言うまでもなく紹介の精度が肝です。紹介がビンゴであれば紹介した方も紹介された方もハッピーになるでしょうし、まさにWin-Winです。
得意不得意や対応地域など、運営側で把握できる情報を基に紹介するのが普通だと思います。そこをさらに一歩踏み込んで、利用したユーザーに満足度調査のようなかたちで評価をお願いし、その評価データを蓄積していきます。そのデータを基に司法書士と一緒に改善に励むと共に、紹介する際の参考情報として活用します。
利用者への依頼はシステムにより極限まで自動化し、回答データの蓄積や参照も、同一の管理画面でスムーズに行えるようにします。顧客の生の声という重要な経営資産を基に、さらにビジネスモデルを強固にしていくことが可能です。サービスの方針によっては、そうしたユーザー評価を、サイト訪問者に対して公開してしまうのも良いかもしれません。
自社、ユーザー、司法書士の三方良しを目指して
マッチングビジネスは、参加する三者の内、二者だけが良くても続きません。三者共が絶妙なバランスで利益を得続けるという仕組みを構築することが事業継続で最も重要です。そのための価格設定や集客等アプローチは数有れど、サイト制作上の設計やシステムの機能性で高められる領域も多々あります。
WordPressをベースにコスト重視で掲載型のサイトを作ることもできますが、かなり無理をした構築になります。ある程度のビジネスを目指すのであればすぐに破綻してしまいます。労働生産性が低い無理矢理なシステムを構築するよりも、ある程度先を見据えた「勝てる」システムに投資することをお勧めします。
とはいえ、大企業プライスのシステム構築をしろという話ではないのでご安心ください。目的に対して適正な機能を持ったシステムを適正な価格で構築することは十分に可能です。司法書士に限らずマッチングサイトをご検討中の企業様、お気軽にご相談くださいませ。