懸賞・モニターサイトを構築したい!
今回のテーマは独自の懸賞・モニターサイトを構築したいというもの。企業から提供を受けたサンプルや商品を登録会員に対してお知らせし、応募者に対して抽選や選考を行った上で配布、その後にアンケートやブログでの発信をお願いするような形態が基本になります。X(旧Twitter)やInstagramなど、その投稿先は年々様々なパターンが出てきており、どういったターゲット層に訴求したいかにあわせて検討されることが多いようです。
自社で営業可能なスポンサー企業を多く抱える場合には、一般消費者(会員)とスポンサー企業をマッチングすることでビジネスチャンスが生まれます。既存のサービスが多くあるので基本的な機能は似通ってきますが、管理精度をあげるための工夫がいくつも可能ではないでしょうか。
人力では到底できない当選者のその後の追跡はもちろん、スポンサー企業に提出するレポートの自動生成など、システムを最大限に活用することで可能になることがたくさんあると思います。むしろ、システムをフル活用するからこそ成立しうるビジネスモデルと言えるかもしれません。
案件登録、当選者管理といった基本的な機能への説明は割愛して、さらにこういったことも可能ではないかということをいくつかのポイントで説明します。
Point.1 利用後のレビュー投稿を自動チェック
懸賞やモニターで当選した人には利用後のアンケートやレビューをお願いする場合が多いと思います。ブログ等でレビューを書いた場合の申告フォームを設置し、そのURLに対してシステムが自動的にチェックを行うことで人力では手間のかかる初期チェックの工数を大きく削減することができます。もちろんシステムだけでは不完全な部分もあるので、人力による補完がスムーズに行くような工夫も行います。その時だけのチェックであれば、報酬をもらった後に削除されてしまうリスクがあるため、そのレビューが継続的に掲載されているかを定期的にチェックするようにするのも良いかもしれません。
レビューを書いてもらってはじめて販促効果が出てきますので、この部分の精度と見える化はサービスの生命線になるでしょう。この部分をいかに省力化し、スポンサー企業に納得度の高い情報提示ができるかが重要になると考えます。
Point.2 スポンサー企業向けのレポートを自動生成
何人の応募があって何人が当選といった基礎情報はもちろん、何人が好意的な意見を持ったかなどのグラフ出力や代表的な意見の集約、レビューの集計データなど、人力でやっているとエクセル操作だけでかなりの時間をとられてしまう作業をシステムが自動的に行います。情報の量も質も高めることができるので、スポンサー企業の満足度向上につながります。
情報の蓄積・分析は共通のデータ基盤で行い、将来的なビッグデータの活用に役立つように設計しましょう。せっかく蓄積したデータもうまく活用しなければ宝の持ち腐れになってしまいますので、データの活用法は初期段階から検討しておくのが良いと思います。レポートはできる限り視覚的にわかりやすいものにし、パッと見て全体を掴みやすいものにすべきです。詳細な分析はデータの出力機能を設けたり、別の画面で専用の機能を提供するのも良いでしょう。
Point.3 会員属性で柔軟な選考が可能
過去の応募の有無や性別といった基本的な属性による選考はもちろん、他にどういった懸賞に応募しているかや、レビューに対する積極度、ソーシャルメディアの利用状況等、複数の項目を柔軟に設定し絞り込むことができます。母数形成をスポンサー企業の意向に最適化することで、よりマーケティング的に価値のある調査が実現します。こうした属性による選考を容易に実現できる検索基盤をシステムとして整備しておくことが重要です。
また、会員の影響度をうまく把握することで、スポンサー企業に対しての提供メニュー開発に活かすことができます。ソーシャルメディアのフォロー数やブログのアクセス数、日々の活動の活発さなど、様々な指標がありえます。必要に応じて設計するとともに、そうした指標データを人力ではなく、可能な限りシステムが自動収集できる仕組みを構築すると良いでしょう。
Point.4 チャット機能で遠隔グループインタビューを実現
アンケートやレビューといった定量的な調査はもちろん、サイト上にグループチャット機能を 実装することで、会員とスポンサー企業のリアルタイムの意見交換を可能にします。チャットによる定性的な情報を有用なマーケティングデータとして活用できます。
さらに踏み込んでグループインタビューをオフラインのリアルの場で行えるようにしたり、Zoom等を使ってオンラインで実施できるようにするのも良いでしょう。スポンサー企業のニーズにあわせて様々なことを行える仕組み自体が、競合に対する優位性につながっていきます。関連する機能は一見細かすぎるように見えても、ワンストップで提供することで価値が高まる場合があります。スポンサー企業のニーズを注意深く観察しながら、積極的な機能強化を行なってみてください。
活きたデータをとれるかが重要
懸賞やモニターは商品やサンプルをばらまくことが目的ではなく、有用なマーケティングデータを収集することが一番重要です。スポンサー企業に対してそういった機能性をアピールすることができればサービス継続率や利用頻度も高まるのではないでしょうか。
さらにシステムの力を活用するのであれば、スポンサー企業ごとに紹介ページを作ったり、サイト上でスポンサー企業の担当者に質問をできる機能を作ることで会員とスポンサー企業とのコミュニケーションを促進したりすることもできます。他にも会員のフィードバック内容がその後どのようにスポンサー企業側の商品開発に反映されていったかを時系列で追うことができる機能をつけることでコミュニティ的な要素を強めることもできます。
どうすれば会員とスポンサー企業の両者がハッピーになるか、他にも色々とアイデアが出せそうですね。