美術館/博物館/ギャラリーの入館/展示物/運営管理システム構築

System

アナログの迫力

Google社が積極的に進めている美術品のデジタル化は遠い話だとしても、本や雑誌、さらにはインターネットでいくらでも収蔵物の情報を得られる今、改めてアナログで収蔵品と向き合える美術館や博物館の魅力が見直されてきています。伝統ある博物館から、街中のギャラリーまで、アートに触れる機会を提供してくれている存在は日本の文化度を下支えする存在とも言えます。

華やかな展示物とは裏腹に、こういった施設の運営はとても地味で繊細なものです。扱う物は高額で代替のきかないものばかりですし、効率を高めつつもセキュリティをはじめとした様々なことに気を配らなければなりません。

今回は、こうした美術館や博物館、中規模以上のギャラリーを運営するのに活用可能なシステムについて考えてみたいと思います。入館者の管理や展示物の管理、さらには業務全体をどのようにシステム化していくべきか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 チケットレスのチケット、入館管理

これからシステムの導入や刷新を考えるのであれば、チケットレス化へ大きく舵を切りましょう。紙のチケットを絶対に無くさないといけないわけではないですが、オンラインでチケットを販売し、そのまま入館できることは、利用者にとっても便利ですし、運営側にとっても事務作業の軽減につながります。

各チケット販売サービスとの連携も組み込みやすいので、チケットレスで入館管理ができるように受付でのオペレーションも見直すべきです。従来は窓口を用意していたのであれば、改札のような受付で良い場合もあります。スマートフォンでQRコードを掲示してもらうスタイルでも良いですし、来館人数がそれほど多くない場合は、チケット番号と照合するやり方でも構いません。とはいえ、ミスの元になり得る要素は廃すべきなので、デジタルチケットとしてQRコードを配信し、受付のバーコードリーダーで照合するやり方が、正確さとスピードの両方を担保できるやり方としてお勧めです。

Point.2 ロケーションベースの案内配信

美術館や博物館では、古くからカセットテープによる案内グッズの販売が行われてきました。大きなところでは館員が案内してくれるところも多いでしょう。収蔵品について学びたいこうしたニーズに応えるために、解説が収録されたタブレットを貸し出したり、専用のアプリを提供したりするのも一つですが、もっとお手軽に始められる方法として、館内だけで有効な無線LANでコンテンツを配信するという方法もあります。

具体的には、入館者向けの無線LANをセットアップし、そこへのアクセス情報を入館者に案内します。入館者はその無線LANにつなぐことではじめてアクセスできる場所にある解説コンテンツを楽しむという流れです。美術館や博物館は閉鎖的な空間であることがほとんどだと思いますので、ちょうどホテルが提供している無線LANのように、入館者だけへのサービスとして機能します。心配であれば、入館者にしか知り得ないようパスワードを定期的に変更するのも良いでしょう。

Point.3 顧客リストと案内配信

展示内容の好みはあれど、一度来館してくれた人は、他の展示でも重要な見込み客です。こうした人たちを適切に集積し、新しい展示の案内を送るなどのプロモーションを行っていくことはとても重要です。

オンラインからチケットを申し込んでくれた人の情報は蓄積が容易ですが、それ以外の人にもお知らせサービスへの加入を積極的に勧めましょう。前述の館内案内サービスの無料利用と絡めて加入を促すのも一つです。また、お知らせサービス加入に早期割引き等の特典をつけるのも加入率向上に有効な場合もあります。

待ちから攻めへ

今、美術館や博物館は様々なものと来館者を奪い合っています。それは新しくできたショッピングモールかもしれませんし、改装した百貨店、さらにはスマートフォンのゲームかもしれません。こうした余暇の時間を奪い合うものに対して、待ちの姿勢では決して来館者を増やしていくことはできません。

サービスの質を高め、リピーターを育成すること。大前提として魅力的な展示を作り続けていくことはあれど、それ以外のことでも館の魅力を高めていく努力ができるはずです。こうした努力の一つのツールとして、「使えるシステム」の導入も是非検討してみて下さい。

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