成長、節目の記録に

デジタルカメラ、さらにはデジタル一眼カメラが普及するに伴い、簡単にきれいな写真がとれるようになってきました。写真を現像する機会も減り、デジタル画像のまま保存し、デジタル画像のまま閲覧するという習慣が一般化してきました。パソコンでもスマートフォンでも、閲覧環境自体がデジタル化しているのが背景として考えられます。

その影響もあり、フォトスタジオや写真室の置かれている環境は決して恵まれたものではないことは事実です。需要が全体として減少する中で、各社必死に生き残る方法を模索しているのではないでしょうか。従来のように、七五三のようなイベント需要だけではジリ貧というところも多いかもしれません。単純な低価格化だけではビジネスが縮小するだけなので、工夫の質が問われていると言えます。

今回のテーマは、こうしたフォトスタジオ/写真室のホームページ制作や管理システム構築についてです。どういった内容をどのように発信すればお客様を惹きつけることができるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 衣装はリアルタイム更新でしっかりアピール

家にいてもきれいな写真はある程度撮れるようになった今、フォトスタジオや写真室の差異化要因の一つが衣装やセットです。節目だからといって、1回の撮影のためだけにドレスや着物を用意してはいられません。そこで貸し衣装の需要が高まってきます。

どこのフォトスタジオにするかを選択する際の判断基準の中で、好みの衣装があるか、自分のテイストにあったセットがあるか、といったことはこれからますます重要になってくるでしょう。そこに目をつけて、衣装やセットの情報を積極的に発信すべきです。写真を掲載するのはもちろん、そのディテールも伝わるような構成にこだわってください。とりわけ、子供向けの衣装についてはその質も量もこだわるべきでしょう。

もし、掲載漏れがある場合は全て掲載されるように徹底してください。掲載までのオペレーションが複雑がゆえにアップロードできていないのであれば、写真撮影からアップロードまでの手間を減らしましょう。更新の度に外部のWEB制作会社に更新を依頼しているのでは時間とコストがかかって仕方有りません。Wordpress等のコンテンツ管理システムを導入して、ITリテラシーの高くないスタッフでも、マニュアルに沿って操作するだけで内容を更新できる体制を目指しましょう。

Point.2 変化、提案、提案、提案

前述の衣装やセットは最低でもシーズン毎に新しいものが入荷するようにしてください。変化はお客様に連絡をするためのきっかけになりますし、衣装の変更を待っているお客様もいらっしゃいます。実際には大きな変化はなくても、新入荷というのは心躍るものです。商談の何かのきっかけになることも多いので、できる範囲で衣装の入れ替えは行ってください。

また、節目節目でリピートを促す提案はぬかりなく行ってください。はがきでもメールでも方法は会社の方針にあわせて行えば良いですが、できるだけ個別に最適化した内容を送るようにしましょう。可能であれば一人一人に違う内容、違う写真を使うのがベストです。相手の前回の撮影内容なども織り交ぜて写真提案をできれば、さらにリピート率が高まるのではないでしょうか。

今まで子供だけを主体にターゲットを組み上げていたのであれば、それを家族や、一族、といった単位に拡張していくのも有効かもしれません。写真を撮るという機会が、一つのイベントとして組み込まれれば、継続的な利用も期待できます。

Point.3 スタッフはタレントに

スタッフの紹介はものすごく力をいれて制作してください。もちろん主役は被写体ですが、どうせなら優秀なカメラスタッフに撮って欲しいと誰もが思っています。簡単なプロフィールやメッセージだけではなく、どういったものが得意か、どういった実績があるかをみっちりと紹介するようにしてください。

きわだった実績がなくても大丈夫です。その場合は社内の資格制度を整備し、一定のスキルを満たした人を認定する仕組みを整えた上で、その社内資格の保有をアピールしましょう。社内の人材レベルの底上げにもつながりますし、全体のレベルの均一化という意味でもプラスがある活動です。社内研修の様子もしっかり発信すれば、スタッフへの信頼度が高まると同時に、人材教育に熱心なスタジオとして、スタッフ採用でもメリットが期待できます。

また、スタッフ写真が魅力的であれば、スタジオの写真の技術力をアピールすることもできます。全員が同じテイストである必要はなく、その撮影者の個性がでるような自由な写真表現も良いでしょう。

今の積み重ねで未来へ

写真というのは一瞬を切り取って保存するものだと思います。その一瞬だけで関係を終わらせず、ずっと節目を残すためのパートナーになれるかどうかが、安定成長できるかどうかの分かれ道だと思います。サービス内容のレベルを高めるのはもちろん、それをしっかりとホームページ上で伝えることも忘れないでください。

開発スタッフのコメント
子供の数が減り続ける中で、子供を中心としたライフイベントの写真需要も減少していっています。一方で、いろいろなスタイルでの写真室やスタジオ、撮影サービスが登場しており、写真ビジネスは大きな変革期の真っ只中という印象を受けます。撮影スタジオを頻繁にリニューアルするわけにもいかないので、今持っている資産を、最大限にインターネットを活用してアピールできる体制をつくることをおすすめします。写真を撮りたいと思った人のハートをつかむようなホームページ構成は必ず実現できるはずです。