ネットショップ全盛の時代

この10年間で、ネットショップは珍しいものから、当たり前のものに変化してきました。スマートフォンの普及もあり、インターネットで物を買うことはさらに身近になってきています。このような変化を目の当たりにして、これからネットショップの立ち上げを検討されている方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、同業が儲かっている噂は聞いているものの、いざ自分達が同じ土俵にあがったときに生き抜いていけるのか不安に思っている方も多いと思います。「今からだと遅すぎないだろうか」「自分たちできちんと運営していけるだろうか」といった不安を覚えるのも当然かもしれません。今回は、これからネットショップを立ち上げようと考えている方に向けて、後発でも勝率をあげるためにできることについて考えてみたいと思います。

お店を出せば売れるというのは幻想

このページをご覧になっているような、きちんと情報収集をされている方の中にはいないとは思いますが、ネットショップをだせば売れる時代ではもうありません。実店舗とは違い、全国のお店が競合になりますし、よほど珍しい商品でもない限り、同じようなものが既に他のお店で販売されているので、目新しさもありません。仮に、目新しさがあっても、すぐに模倣されて価格競争に陥っていく厳しい世界がネットショップです。

過度に不安をあおるつもりはありませんが、計画と強みとスピードが無ければ、ネットショップを今から後発で出店するのはお勧めしません。ただ、強い覚悟と改善していく気持ちがあれば、十分にチャンスがあるのも事実ですので、過剰に怖がる必要もありません。無計画に出店するのではなく、1年でここまでできればさらに投資する、といったようなマイルストーンを設定するのが有効な場合があります。また、5年は何があっても踏ん張るという決意も良いでしょう。あくまで中長期的に真剣に取り組まないと得られる果実が少ないものだと理解してください。

楽天市場でも勝ち抜いていけるか

では、後発でネットショップに参入する会社が検討すべきこととは何でしょうか。まず、楽天市場に出店したとしても勝ち抜いていけるかを調査してみてください。楽天市場は言わずと知れた日本最大級のインターネットショッピングモールです。大量のお店が大量の商品を販売している環境で、自社の商品、価格、サービスが太刀打ちできるのかを冷静に比較することをお勧めします。

「うちは楽天市場には出さないから関係ない」と思われている社長様、残念ながら高い確率で失敗すると思います。楽天市場という場で勝てないようであれば、楽天市場以外の場所で戦ったとしてもそれは逃げでしかありません。局地戦で小さな小さな売上げはあげることはできても、決して目指すべき売上げ規模には至りません。それであれば、立ち上げの手間を考えるとネットショップ自体をやめることをお勧めします。

また、amazonも無視できない存在ですので、同様のシミュレーションを、余裕があればamazonに対しても行ってみてください。楽天市場とamazon、そしてYahoo!ショッピングを見て競合分析をすれば、最初の段階での競合分析としては十分過ぎるのではないでしょうか。ものもお店も溢れている時代で、どうすれば勝ち抜けるかの光が一筋も見えないのであれば、参入するべきではないのかもしれません。

組織を変える覚悟はあるか

もし、今まで実店舗だけで商売をしていたのであれば、ネットショップの運営は全く違ったスキルや人材が必要とされます。パソコン操作はもちろん、ネットショップの仕組みや販売促進にも精通する必要があります。

運営を完全に外部に委託するのであればそういった組織体制は不要にはなりますが、利益率が劇的に悪くなることに加え、委託先がこちらの希望するレベルでがんばってくれるとも限りません。1年たったけど思うような成果が出なかった場合、最も貴重な資源である時間を浪費してしまうことになります。これを避けるためにも、ネットショップを自社で運営できるように組織を少しずつでも変えていく覚悟を社長自身が持ち、具体的に行動していくことが必要です。

幸いにも、ネットショップを運営していく難しさは年々下がっています。様々なツールが利用できるようになり、また、様々なネットショップのシステムが月額課金で利用できるようにもなっています。よほど複雑なことをしない限り、ネットショップを運営しやすい環境は整っていると言えるでしょう。人材を用意できない部分はお金で解決できる時代になっていると言えますが、なんでもかんでもお金で解決するとビジネスとしてのうまみが減っていってしまいます。何を内部で持ち、何を外部サービスでカバーするかは適切な線引きを行うべきでしょう。

道案内役を有効に活用することでスピードと精度UP

ネットショップの立ち上げが初めての場合、わからないことだらけでスピードがなかなか出ないことも多いと思います。こうした時に、道案内役として経験者を活用するのは有効です。各ショッピングモールには名ばかりのコンサルタントという人たちがいますが、彼らは広告を売ることや、出店してもらうこと、を目的に行動しているため、必ずしも道案内役としては適当ではありません。

既に出店や運営の経験があり、あなたの会社の業務への理解があり、何より一緒に事業を作っていけそうと思える方に出会ったなら、二人三脚でネットショップを立ち上げるのが最も効率的だと思います。弊社でもそうしたお声がけをいただきお手伝いすることもありますが、時間と勝率を買うという意味では非常に有効な手立てだと感じています。

もちろん、完全独自でやるからこそ得られる経験もあるため、全て自前でやることも否定しませんが、後発だからこそ普通にやると負ける確率が高いことも事実です。使えるものは使い、確実に事業化するという意味でも、私達のような専門家集団を活用することを是非検討してみてください。