リスティング広告との連動

リスティング広告での集客が一般的になるにつれて、広告からの集客動線をホームページの特定ページを使い回すのではなく、専用のページ(ランディングページ)を作り、そこに着地させることで少しでも最終的な申し込み率や問い合わせ率を高めようという動きが主流になってきました。

特定の広告のためにページを作り込むため、想定されるターゲットに対してメッセージを最適化しやすく、結果として転換率が上昇します。激戦区のキーワードを中心に、どこもかしこもランディングページを用意しているという状況になっています。施術メニューごとにランディングページをわけるのはもちろん、客層や地域によって使い分けているところもあるほどです。一人当たりの単価も高いことが多いため、潤沢な予算を使えることが多いというのも背景にあります。

今回のテーマはこうしたランディングページの制作についてです。とりわけ美容整形クリニックのランディングページ制作において、どういったポイントに注意すべきか整理してみましょう。

Point.1 Yahoo!リスティング対策は必須に

もし、Google AdWordsに加えて、Yahoo!リスティングでも同じランディングページを使用する予定であれば、留意すべきことがあります。2014年の2月3日より、Yahoo!リスティングの着地先に設定されているページ内容がYahoo!独自の医療広告ガイドラインに則って審査されることになりました。

基本的な内容は一般に言われる医療広告ガイドラインに準じているようですが、それだけでは判断がつかないNG例も頻発しており、Yahoo!リスティングにあわせて制作すると、アピール度の低いページになってしまいます。リスティング広告用で一本化して管理するのが制作上の効率は高くなりますが、コンバージョン率(CV率)が十分に高まるかと言われると疑問符がつきます。

予算に余裕があるのであればGoogle AdWords用とYahoo!リスティング用のランディングページをわけて制作するのがベストです。もしそこまでは、という場合はページのURLにパラメーターをつけて、そのパラメーターがついているときはYahoo!リスティングでNGな要素は表示しないようにする等の工夫が必要です。

現時点の様子では、着地先ページだけではなく、着地先ページからリンクが貼られているページの内容もチェックされる事例も発生していますので、最悪の場合本体サイトの修正も必要になってくるのでやっかいです。審査、再審査の手間をできるだけ省きたいのであれば別のランディングページとして二つ用意するのをお勧めします。

Point.2 価格訴求は明瞭に

脱毛や痩身、その他美容整形クリニックのサービスメニューは高額になりがちです。そこでサービスの価格はわかりやすいように明朗表示し、低価格路線であれば安さを精一杯アピールしましょう。また、高価格路線であればなぜ高いのか、他はなぜ安いのか、といった啓蒙コンテンツを用意することが重要です。十分にアピールできなければテレビCMを大々的に行っている大手チェーンが持っていってしまうということもあり得るため、コンテンツは徹底的に充実させるべきでしょう。

訪問ユーザーはそのランディングページ以外にも複数のクリニックを比較検討しています。その時に申し込みに至らなかったとしても、充実した情報や納得できる理由を提供できていれば、いずれ帰ってきてくれる可能性が高まります。イメージで訴求するというのも重要ですが、それだけでは不十分です。感性と理性の両方に的確に訴えられるページ構成を練り上げてください。

また、ランディングページだけで興味をひききれない可能性も考慮して、クリニックが運営しているYoutubeチャンネルなどがあれば、そちらへの誘導を設置しておくのも良いでしょう。フォームだけに絞った方が転換率が高まる場合もありますが、比較検討される際の情報を増やすことで最終的なコンバージョンを目指すという方針であれば、こうした一直線ではないアプローチも有効な場合があります。

Point.3 院長露出やスタッフ露出は最大に

美容整形は安心感をアピールすることも重要です。院長やドクターの経歴も重要ですが、写真を掲載して信頼感を担保する方法に勝るものはありません。可能であればドクター以外の看護師スタッフや事務スタッフも露出させ、少しでも訪問ユーザーの親近感を持ってもらえるようにしましょう。顔出しという部分は割り切る必要はありますが、それ以上に返ってくるリターンも大きいものです。

さらに可能であれば院長によるブログも有効です。技術的なこと、業界的なことなど、そのクリニックの方針やこだわりが見え隠れするような内容を書きためていくことで、ランディングページからさらに掘り進んで調べたいユーザーのハートを掴むことができます。Youtubeチャンネルも同様に有効でしょう。スタッフに動画編集スキルがある人がいればラッキーですが、そうでなければ外部に委ねるためどうしてもコストが高くなりがちです。それでもYoutubeという全く異なる導線から集客できるのは魅力的なため検討の価値はあります。

参入が一気に増え、淘汰の時代へ

美容整形クリニックの数は、ここ5年の間に急激に増えました。女性のニーズに加え、男性のニーズも増えてきたことがこうした傾向を後押ししているように感じます。とはいえ、既に供給過多に陥っている地域もあるようなので、今後は本格的な淘汰の時代になっていくのだと思います。

そんな中で生き残るためには、しっかりと新規ユーザーを獲得し続けることが重要です。いまやリスティング広告をいかに使いこなせるかが新規獲得の必須要件になってきました。そのリスティング広告の効果を最大化するためにも、効果のあるランディングページ制作を検討してみてください。

開発スタッフのコメント
医療でありながらプライシングの自由度が高いため、非常にダイナミックに値段含めた競争が行われるのが美容整形業界ではないでしょうか。常に競合を意識した施策をうつのが重要なのは言うまでもありません。同時に、より細かく、より精度高く集客施策をうっていくことも重要であり、その手段としてランディングページ(LP)は非常に便利です。作りっぱなしではなく、秘伝のタレのように進化させる意識で、ランディングページを制作してみてください。