根強い需要のボウリング

ボウリングブームが過ぎ去って、かなりの年月が経ちました。一時ほどの熱はないにしろ、都心にも郊外にもボウリング場は点在しており、大人から子供まで楽しめる場所としての地位を確立しているように感じます。一方でボウリング場の数は減少傾向にあり、これをピンチととるか、競合の減少によるチャンスと捉えるべきかは判断がわかれるところです。

大規模チェーンが幅をきかせる中で、昔からある独立系も健闘しています。各社価格面やサービス面、営業時間などを工夫して利用率を高めようと躍起になっています。ボウリング好きは一定数いますし、若者を中心に一定数の新規流入もあるでしょう。

今回のテーマは、こうしたボウリング場のホームページ制作及び予約管理システムについてです。どういった工夫を施せばより多くのお客様に来店いただけるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 空き状況の表示とネット予約

ボウリングはあらかじめ予定しておいていくこともありますが、カラオケのようにその場の流れで行くことも多いのではないでしょうか。その時に、スムーズに入れるかどうか、というのはとても気になるのが普通です。

ホームページ上で現在の空き状況を表示し、ネット会員であればそのまま順番待ち予約ができるようにシステムを構築しましょう。予約をすると予約番号と予約時間が割り振られ、その時間までにこなければ自動的にキャンセルされる仕組みにしておきます。こうすることで予約ばかりが増えて来店が増えず、実際に予約無しで来店し下さったお客様に迷惑をかけるということを未然に防止します。

順番待ちが効率的にできれば、思いつき客の需要を取り込むことができます。無断キャンセルの場合のルール決めは必要ですが、その場合は繰り上げ案内すれば良いだけなので被害も少ないはずです。ITを活用することで効率的な順番待ちを実現してみてください。予約システムのようなお堅いものでなくても、チャットのやりとりで予約できるようにするのも良いかもしれません。LINEのお友達追加をしてもらって、その仕組みを通じて予約を行えるようにするのも一つの方法です。

Point.2 誕生日や記念日は優待サービスを設定

ネット会員の内、誕生日や何かしらの記念日を設定している会員には、1ゲーム無料や、貸し靴無料といった優待サービスを設定できるようにしましょう。「せっかくだから行ってみるか」という気持ちになってもらうのが重要です。あの手この手でお誘いメールを送信しましょう。

とはいえ、何でもかんでも安売りすればいいものでもありません。納得のいく理由のタイミングで、十分にお得と思えるオファーをしてはじめて効果があります。このあたりの優待設計は慎重に行ってください。ボウリング場でのイベントと連動させることも良いでしょう。季節行事イベントを開催してみたりするなどして、ボウリング場に足を運んでもらうのも重要です。イベントを企画する際には、対象者層が「私でもいけるかも」と思ってもらえるように、客層にあわせて企画するのがベストです。上手な人向け、初心者向けはもちろん、小さな子供連れ向けなど、いろいろな切り口があり得ると思います。

Point.3 今なら割(タイムサービス)の導入

ボウリング場の設備が常に満員ということはないと思います。時間帯や曜日、季節的な要因があって、どうしても閑散としてしまうタイミングがあると思います。こうした時にスタッフと施設を遊ばせておくのはもったいないので、今なら割(タイムサービス)を設定し、ホームページやメールマガジン、FacebookやX(旧Twitter)で告知しましょう。

会員が近くにいればラッキーですし、そのタイムサービスを狙ってやってくるお客様もいると思います。今なら割の利用は登録会員に限定することで、一見さんを会員に誘導する効果も持たせましょう。会員の母数を増やすことでこういった突発的なプロモーションの効果をさらに高めることができますし、顧客基盤がどんどんと安定していきます。

価格を下げることへの抵抗はあるかもしれませんが、閑散としているタイミングに限定し、時間も区切ってプロモーションを展開することで値下げ圧力はそれほど働かないと思います。飛行機やホテル宿泊の代金を筆頭に、需要に応じて値段が変わることに世の中全体が慣れてきていますので、こうした大胆なメリハリをつけてみてください。

特定の時間に限定するのであれば、ゲーム数をあらかじめ限定してしまうのも良いでしょう。利便性との引き換えでのタイムセールなので、このあたりの設計はボウリング場ごとの運営方針にあわせて設計してみてください。

まだまだエンタメの中心地

ボウリング場は今でもエンタメの中心地にいるように感じます。最近はゲームセンターを充実させたり、プリクラや卓球を強化したりと、昔ほど純粋なボウリング場ではないかもしれませんが、エンタメの中心施設としての地位はまだまだ健在ではないでしょうか。

とはいえ他のエンタメ施設とのお客様の奪い合いは激化しています。より便利に、よりコスパ良く改善していかなければ、ボウリング場だけ取り残されてしまうという結果になりかねません。適切な投資と柔軟な判断でこの状況を生き抜いてみてください。

開発スタッフのコメント
ボウリング場は専用のシステムが建物内で動いていることもあり、なかなかインターネットとの連動までは手が回っていないところが多い印象を受けます。受付に来てもらった人ベースでの運用が最も手軽で確実ですが、来店するまでには至らない潜在顧客がたくさん存在するのも事実です。稼働率を高めるには、こうした浮動客をつかえるかがポイントです。精神的なハードルを下げ、今行きたい、という気持ちを萎えさせない動線設計を行うことをおすすめします。