インターネットで予約する時代

飲食店でも人気のお店となると予約をとるのも一苦労です。何度も何度も電話をかけて、やっとつながったと思ったら希望日が空いていない。そんな経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。予約のとれない店、という言葉一般的なように、人気のある店であればなおさらこの傾向は強いようです。

電話をかける側も大変ですが、電話を受ける側も大変です。鳴り止まない電話に、日程調整がうまくいかないことばかり、どちらも大変な状況は今も昔も変わらないようです。とはいえ、一つ変化があるとしたら、インターネットでの予約受付が少しずつ一般的になりつつあるということでしょうか。日時を指定し席が空いていれば電話をすることなく予約できる手軽さもあって、ちょっとずつ支持を拡大しています。

とはいえ、まだまだ電話予約しか受けていないお店が多いのも事実です。設定や費用の問題、常連さんへの対応等の課題があるためだとは思いますが、お店側と客側がWin-Winになりうる仕組みだけにより広まって欲しいと願うばかりです。

今回のテーマは、こうした飲食店/レストラン向けの座席予約サイトのシステムについてです。どのようなポイントに注意してシステム構築すれば、管理しやすく便利なシステムにすることができるのか整理してみましょう。

Point.1 席配置を最適化するアルゴリズム開発

電話での予約受付は手間ではありますが、その店にいる人間が対応するため、席配置という意味では最も効率的な配置ができます。時間をずらす交渉もその場でできますし、注意点もその場で説明することができます。

予約サイトで受け付ける場合、こうしたきめ細かい対応は通常ではできません。あらかじめ設定された枠に対して事務的に埋めていくだけになってしまいがちです。これでは大きな機会損失が発生してしまいます。

人間がやるような対応をできる限りシステムで行うべく、店の席配置にあわせた独自のアルゴリズムを開発します。1名の場合、2名の場合、といった具合に人数にあわせて最適な席配置を提案すると共に、希望時間に予約がとれない場合も、「この時間なら取れます」ですとか「こういった席配置なら取れます」といった提案をする機能を設けます。こうすることで柔軟な対応がとりにくいネット予約でも機会損失を可能な限り防ぎ、利用者のストレスを低減することができます。

後ろがつかえている場合などには、事前に時間きっかりに退出する旨を承諾してもらうなど、細かく作り込むことも可能です。なかなか時間枠が決めにくい場合もあると思いますが、ある程度の基準を設けることは有効だと思います。また、このお客さんはいつもこの席が良い、というような、個別の指定も行えるようにしておくと、機械的な最適化と、人間的な最適化を共存させられる場合があります。

Point.2 予約時間前のお知らせ通知

予約の際に希望する人に対しては、予約時間前の通知サービスを提供します。メールやSMSといった手段で相手の連絡先にメッセージを送信し、確実な来店を促します。当日の直前では意味がない場合も多いと思いますので、前日など、キャンセルされてもダメージが比較的少ないタイミングで送信するのが良いでしょう。キャンセル防止というよりは、来店満足度を高めるためのコミュニケーションという前提でデザインするのが良いでしょう。

一方で何度もキャンセルをする利用者をブラックリストに入れる機能を実装することも可能です。メールアドレスや連絡先を登録しておけば、その条件に合致する利用者の予約を受け付けない設定にできます。さらに踏み込むならデポジットの決済や、前払いやキャンセル料の請求なども統合していくことも可能です。

Point.3 店舗ブログと連動し、スムーズな予約誘導

予約サイトに移動して、日時を指定して予約を行うという通常の導線はもちろん、店舗のブログと連動して簡単に予約ができる導線も用意します。ソーシャルメディアやブログ上で新メニューや新サービスを紹介しても、そこから少ないクリックでそれを予約できなければ機会損失が起こってしまいます。

イベントを店舗ブログで紹介した日には、そのイベントの日があらかじめ選択された状態の予約リンクを発行できるようにし、それをブログに貼り付けることで利用者はスムーズに予約を行うことができるようになります。また、新しいコースメニューが登場した際には、そのメニューを選択した状態で予約操作が行えるリンクを発行しブログに貼り付けることで、特定のメニューを前提とした予約をスムーズにできるようにします。

最終的な着地点は予約サイトですが、そこへの誘導の仕方を柔軟かつスピーディーにすることで、予約動作のストレスをなくし、ハードルをどんどんと下げてしまいましょう。そうすることで、発信→集客→予約、というきれいな流れが出来上がります。

来店前からのホスピタリティ

飲食店の満足度は、おいしさ、だけでは語れない部分があります。どれだけ料理がおいしくてもサービスが下手くそでは満足度が下がりますし、何かしらのミスがあった場合は興ざめしてしまう場合もあります。

予約する時点から会計が終わって店を出るまでが飲食店のサービスだとすると、予約受付サイトの責任も重大です。細かいところの気配りやストレスのない導線設計など、自分達のサービスの一環として改善し続けていく姿勢が大切なように感じます。

開発スタッフのコメント
店舗としてLINE公式アカウントを運用しているところも多いと思います。LINEのBOT機能を活用することで、お知らせはもちろん、予約に関する情報をシステムに自動的に送信させることも可能です。一定数の送信回数以上は有料になりますが、すでに有料プランであれば実用上問題ない数量のメッセージを送信することができます。昨今はLINEからの販促疲れの傾向も見られるので、自社の顧客層のニーズを観察しながら最適解を検討してみてください。