お出かけの強い味方

幼い子供を持った親御さんのお出かけはとても大変です。近くに預けられる親族がいればまだ多少はましですが、都合があわなかったり、近くに頼れる人がいない場合は託児所や託児サービスを受けるしかありません。

核家族化が進み、都心部では実家から離れて暮らす家族が一般的です。そうした背景から、ショッピングモールなどの大規模施設には託児所が併設されることが増えてきましたし、都心部には託児サービスを提供する事業者が登場してきています。とはいえ、子育ては計画通りにはいかないことのほうが多く、どうしようもないようなシチュエーションに陥ってしまうと、急ぎで利用できる託児サービスを探す、というパターンも多いと思います。

今回のテーマは、こうした託児所/託児サービスの申し込みを受け付けるサイトのシステムについてです。どのようなかたちでシステムを構築すれば利用者満足度を高めつつ運用がスムーズにいくのか、いくつかのポイントにわけて整理してみましょう。

Point.1 会員登録情報を自動更新し、利用者の手間を軽減

託児サービスの利用者には何かしらの会員登録をしてもらうことが多いと思います。託児サービスを利用する時は間違いなくお出かけの途中のはずなので、預ける際に時間がかかるのは大きなストレスです。事前に行えることは事前に行ってもらうのを原則にして、会員登録はサイト上から行って頂き、店舗での登録作業は不要にしましょう。

また、会員登録の際にお子様情報カルテも併せて登録してもらい、子供の誕生日を入力してもらいます。預かる際に年齢によって対応を変える必要があるため、その登録された情報を基に現場は対応を検討します。そしてお子様情報を登録した後は、二回目以降の利用の際に子供の年齢入力を不要にします。こうすることで二回目以降の利用のハードルが下がり、リピート率を高めることができます。

他にも毎回の注意事項もお子様情報カルテに登録しておけるようにし、アレルギー情報や注意事項などの連絡も毎回書かなくて済むようにしましょう。あまり多いと敬遠されますが、かといって情報不足では保育に支障が出てしまいます。どの情報取得が本当に必要かをしっかり検討してみてください。兄弟や姉妹を一緒に預けるケースも想定されます。一人の保護者に複数人の子供カルテを設定できるようにしておくことで、複数のお預かりにも対応できるようになります。

Point.2 当日出勤スタッフにあわせて受付可能時間を自動更新

託児サービスはいくらでも子供を受け入れられる訳ではありません。保育スタッフの数や受け入れる子供の年齢によってキャパシティは大きく変動します。そこで、保育スタッフの出勤状況と連動し、受け入れ枠をシステム側が自動管理するようにします。手動であればこうしたことを行っていると思いますが、システム化することで、素早く受け入れ側と自動連動させられるメリットがあります。

スタッフの出勤状況を設定する必要はありますが、ついでに出勤管理やシフト管理もシステム上で行うようにするとさらに効率的です。スタッフの出勤状況が同一システム上にあれば、2人しかいいない日の受け入れ枠数を自動調整できますし、休憩時間も考慮にいれた保育受入数を最適化することができます。

利用者の申し込み状況にあわせて受け入れ可能枠数はリアルタイムに更新するようにし、許容人数を超えた申し込みを受けてしまうことを未然に防止します。事前のインターネット予約分に加えて当日の店頭での申し込みも店頭のパソコンを使って同一システムで管理するようにし、インターネット申し込みとのずれを防止しましょう。

急に保育スタッフがこれなくなった場合には、その時点で保育数に制限がかけられるよう、複雑な操作をしなくても許容保育数の上限値を調整できるようにしましょう。保育スタッフの欠勤申請と統合することができるのであれば、そうした上限調整も自動化することも可能です。

Point.3 託児の様子を動画配信

これは店舗の運営方針によるのでオプションにはなりますが、我が子が楽しく元気に過ごしているかは親としては気になるものです。サイトにアクセスしログインすれば、預けている時間中は託児所内の様子を動画で確認できるようにするのもお勧めです。

動画配信は荷が重い、というのであれば、定期的に写真をとってアップロードし、それを公開する方法もあります。動画でも静止画でも、現場のスタッフの負担にならないよう、撮影から配信まで自動で行えるように設計しましょう。定期実行のプログラムを組んで写真を撮れば、スタッフの手間を軽減できます。自動撮影のため、毎回ベストショットにはなりませんが、全く様子がわからないよりはましな場合があります。どこまでやるかは現場の負担と相談しながらバランスを見極めてください。

社会を下支えするサービスへ

子育てをしながら、たまには息抜きを。誰もがそう思いながらも難しいと感じていることではないでしょうか。この難題の解決をサポートするのが託児サービスであり、社会的に背負っている意味や使命は大きいと思います。

何度も利用してもらうためにはサービスの質や納得度の高い料金など課題は山積みですが、システムを最大限活用することで必ず競争力は磨けます。愛されるサービス目指して邁進してください。

開発スタッフのコメント
動画配信となると、見る側も見られる側も負担が大きいということであれば、一定時間の動画を指定された送信先に送付するという方式も可能です。メールはもちろん、LINE等に対応すれば、見る側からすると非常に便利な仕組みになりえます。報告する部分はあると便利なものですが、コストがかかる割に満足度に直結させるには工夫が必要な領域でもあります。作ったのはいいが利用者のニーズと合致していなかったという事態にならないよう、慎重に検討を重ねることをおすすめします。