ネットショップに+1の機能を

ネットショップの店舗数の増加が止まりません。かつてはASP型やモール型のネットショップは機能面で弱いと言われた時期もありましたが、機能の底上げが起こり、一昔前の最先端はほんのわずかなコストで利用できるようになってきました。小売店のネットショップはもちろん、メーカーが公式ショップを立ち上げる例も増えてきました。同じ商品が色々なお店で買えるようになるのは消費者からすると嬉しいことですが、それだけ、販売する側の競争は激しくなっています。

こうなってくると差異化が難しいのが独自構築のネットショップです。独自であることの強みを最大限に活かすためにも、日夜新機能企画・開発のプレッシャーにさらされている担当者の方も多いのではないでしょうか。

今回のテーマは、そうした新機能の一つとしてグリーティングカード機能をネットショップに統合する開発についてです。どのような点に注意してシステムを拡張すればよいのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 ギフトラッピングに加えてもう一提案

「ギフトラッピングができます!」という提案は今やどこの店でも当たり前のようにやっているサービスです。メッセージカード代筆も、ちょっと気のきいたお店ならやっているでしょう。

こんな状況下でちょっと違った提案としてグリーティングカードを活かします。プレゼントの相手のメールアドレスを登録すると、到着予定のプレゼントの中身をほんのちょっと匂わせるような内容のグリーティングカードを送信することができます。もちろんデザインはいくつかのパターンから選べて、なおかつ相手の楽しみ感を煽る仕掛けがほどこされているイメージです。

利用はもちろん無料で、簡単に送信前のプレビューも行えるようにしておきます。心配症の利用者の為に、「自分で受信してみる」という選択肢を設けることを検討してみてもいいですね。ギフトというアナログなイベントに、デジタルで補助的なアクセントを加えるというアプローチは他にもありそうです。

最近ではソーシャルメディアに掲載しやすい形式も喜ばれるため、各ソーシャルメディアでの表示サイズや縮尺を意識したデザイン作りも良いでしょう。同じデザインでもデザイン違いでサイズや縮尺を選べるようにするのもグリーティングカードの魅力を高めるのに役立ちます。

Point.2 店のサービスとしてくじ機能も提供

ただ単なるグリーティングカードだとおもしろみの表現の幅に限界があります。その幅を拡張するアイデアの一つとして、くじ機能を提供するというものがあります。

送信されるグリーティングカードにくじ機能をつけ、リンクをクリックすることで当選結果がわかるページへと移動します。見事当選だった場合はめでたくプレゼントが別送で届くという仕組みです。くじがついていることが嫌な人は多くないはずなので、こうした遊び要素が許される客層であれば導入を検討する価値はあります。

費用負担はネットショップ側で負担すべきなのでコストは高まりますが、ちょっとした遊び心をおりまぜつつ、贈られる人を楽しませましょう。くじの仕掛けとして、周りの人を巻き込むと確率があがったり、チャレンジできる回数が増えるといった試みもおもしろいと思います。自然と口コミを引き起こす仕掛けとして検討してみてください。

Point.3 送信した人にも感謝のカードを

プレゼントとして使ってもらえることは非常に意味があります。単純な売上につながりますし、他の人にお店の存在が広まるきっかけにもなります。その起点となってくれた利用者にはしっかり感謝の気持ちと何かしらの還元を行うべきです。利用者もインターネット通販に慣れている人が多いと思うため、なんとかして驚きの体験を提供したいものです。

簡単な施策としては、プレゼントを贈ってくれた人に対してグリーティングカードで感謝の気持ちを伝えるというものです。いくつもパターンを用意し、同じ物が届かないように配慮します。さらにグリーティングカード上に特別なオファーの案内を掲載するなどして、優遇していく販促施策も検討の価値ありだと思います。

ネットショップは無限のプラットフォーム

グリーティングカードに限らず、ネットショップにはいくらでもアイデアをかたちとして実装していくことができます。売上に短期的につながるのかという視点でいくとなかなか実行に移せないと思いますが、便利な機能や感動を呼ぶ機能は長い目で見ると必ず結果につながってきます。

柔軟かたちでネットショップを構築するのも大切ですが、構築したっきりにせず、定期的な機能強化を行うことはもっと大切です。生き物であるネットショップとその先にいるお客様を大切にしてみてください。

開発スタッフのコメント
グリーティングカードのデザインはとても重要です。そしてそのテイストは多様であればあるほど良いでしょう。特定のイラストレーターに書いてもらうよりも、テイスト違いで複数のイラストレーターに関与してもらうほうが利用率があがります。用意する種類がコストに直結するのでビジネス的に難しい面はありますが、基本報酬と成果報酬の二本立てにしてイラストレーターの方と協業するなど、仕組み上で工夫できる余地はありそうです。