出張や旅行の強い味方

航空券は、どこでどうやっていつ買うかで大きく値段が変わります。航空券を定価で買ったことがある人のほうが少数派ではないでしょうか。パッケージで買うことで値段を抑えたり、何日も前に予約することで値段を抑えたりと色々な方法がありますが、格安航空券販売サイトを利用している人も多いと思います。

日時、行き先と出発地を入力すれば利用できる航空券一覧が値段と共に表示され、簡単な操作で航空券を確保することができます。あとは航空券を受け取るかチケットレスにして、空港に行くだけというシンプルかつスマートな節約方法です。ますます多くの航空会社に対応してきており、航空チケットサイト同士での争いはもちろん、航空会社公式サイトも含めた競争が過熱しています。

今回のテーマは、こうした格安航空券販売サイトのシステムについてです。どのようなポイントに気を付けて構築すれば、ユーザーにとっても使いやすく、ビジネス上も強い構造のサービスが構築できるのか整理してみましょう。

Point.1 スマホをひたすら使いやすく

今からサービスを構築するとなると後発になってしまいます。何か有効な差異化要因が必要になりますが、その一つが徹底したスマートフォン対応です。時間指定のしやすさから結果の見やすさ、購入までの導線のスムーズさに徹底的にこだわると共に、操作に対するレスポンスの早さにもこだわり、時間のない中での携帯端末での操作でも快適にサービスを利用できるようにします。

競合となるサービスでは十分なスマートフォン対応ができていないところも多くあります。今から参入だからこそ、最新の潮流に対応しそこをアピールしていくことで、市場の一定層をスタートダッシュで確保できるようにしましょう。また、WEBブラウザでのユーザー体験では十分でない場合には、スマートフォンアプリを主戦場にするのも一つでしょう。WEBブラウザとは違った表現が可能になるので、UX(ユーザーエクスペリエンス)を追求するのであればアプリに優位がでる場合もあります。ビジネスモデルにあわせて主戦場を選択してみてください。

Point.2 データ管理は自動化・一括化

航空券の販売には、一定期間ごとにデータのメンテナンスが必要になります。空港が新設された場合や路線が増えた場合、また、新規の航空会社が参入した場合やダイヤが変更になった場合など様々です。

こうした場合に難なく対応できるように、マスタとなるデータを簡単にメンテナンスできるようにしておきます。管理画面からの一件一件の修正に対応するのはもちろん、CSVデータを基にした一括更新や、特定のページを解析して読み込む自動更新などを駆使し、できるだけスタッフの手間を減らし、スピーディーに変更に対応できるようにしましょう。

さらに踏み込めば。各航空会社とのデータ連携など、システム間でのダイナミックな自動化も視野に入ってきます。人が介在しないためにリアルタイム性が高まりますし、ミスもなくなります。人はサポートに集中することができるので、サービス全体としてのサポート力が高まる効果も期待できます。

Point.3 お得待ち登録機能で節約サポート

行きたい場所は決まっているけど日程を決めていないという旅行者が市場には存在しています。そうした人達の需要を取り込むために、出発地と目的地を設定しておくと定期的にお得な料金プランを通知してくれる機能を提供します。いわば「お得なら行きたい」というライトな層を取り込む作戦で、ニーズは弱いものの、刺激次第で大きな数を動かすことができる可能性を秘めています。

季節的な価格下落や、何かしらのキャンペーンプランが登場した時などは通知が送信されるので、そうしたユーザーの「よし、そのタイミングで行こう」という気持ちを後押しすることができます。もちろん、そうした通知サービスを提供することで自社で航空券を購入してもらえる確率が上がることは言うまでもありません。導線をしっかりと洗練させれば、「やっぱりやめておこうかな」という気持ちに萎えてしまう前に、旅行計画までユーザーの気持ちを高めることができるでしょう。

小さな機能であっても、明確なターゲット像が設定されている機能は強い支持を受けることがよくあります。こうした機能追加の積み重ねで競合との差異化を図りましょう。

地道な運営コスト低減と高機能の両立を

格安航空券販売サイトの重要ポイントは価格です。その価格を抑えた上で便利な機能や使いやすさを追求することが必勝パターンになります。その鍵を握るのは間違いなくシステムです。正しい方向に適切な規模でシステム投資をすることで中長期的なビジネスを下支えしてくれる環境が整うのではないでしょうか。

開発スタッフのコメント
スマホでの便利さは日々変化していきます。最近ではJavascriptにも様々なフレームワークが登場しており、そのどれを採用するかでひいては人材採用や、将来の保守性も変わってきます。スマホアプリへの転用などが容易になるものもいくつかありますので、何を重視すべきかで答えは様々です。将来的に内製化する可能性もあるのであればなおさら、技術選定に慎重になるべきでしょう。