ネットショップでありながら無在庫販売

タオパオの勢いが止まりません。日本で言うならば楽天市場やYahoo!オークションが近いのでしょうが、独自の生態系をもって、圧倒的な出品数と低価格で世界中でも存在感を増してきています。ものづくり大国の中国の存在感が高まっていることを認識させられます。

商慣習の違いや言語の違い、さらには偽物が多く出回るなど、まだまだ日本人にとっては馴染みにくいのも事実です。だからこそ、購入代行のようなサービスが一定の支持を集めるのだと思います。ユーザーとしても、一定のコスト負担でそうした騙されるリスクや、わからないことを調べる時間を節約できるのであれば、非常に価値あるサービスだと言えます。

今回はタオパオに出品されている商品の購入代行サービスをネットショップ風に構築するためのシステムをテーマにしたいと思います。タオパオが公開しているAPIを活用し商品数を担保しながら、どういったポイントに気を付けて構築していけばユーザーに支持されるサービスにできるのか考えていきましょう。

Point.1 デザインはあくまで日本人好みに

WEBデザインと一言に言っても、国によって好まれるテイストが全然違います。タオパオのサイトは日本人好みかと言われれば違うでしょうし、アメリカのサイトもそうでしょう。大切なのは、メインの利用者である日本人が安心できるデザインにすることです。安心感をいかに持ってもらえるかが最初のハードルなのは間違いありません。

安心できるデザインの基本は、見慣れたものであるかどうか、です。明るく印象的な色を大々的に使うというよりは、少し落ち着いたトーンの配色にする。余白はしっかり取る、こういった細かいデザイン上の配慮の積み重ねがじわじわと効いてきます。日本全体でのサイトトレンドを踏まえることももちろん重要です。

また、コンテンツでも工夫が必要です。提供者側からは当たり前に思えることでもしっかりと正直に書くことが長い目で見た本当の支持につながります。購入代行の仕組みや費用、お届けまでの流れや考え得るリスクなど、ネガティブなトーンで書く必要はありませんが、しっかりとした情報提供を行うことが大切です。

Point.2 自動翻訳機能と自動換算機能、そしてサポート

商品説明を自動翻訳する機能は必須です。また、値段をわかりやすくその時のレートで日本円に換算する機能も必要でしょう。ただ、これだけではAPIのデータをこねくりまわしただけで、競合との比較優位は築けません。重要なのは、差異化要因として何を組み込んでいくかです。

特に後発参入であれば、サポート力を前面に打ち出していくべきだと考えます。購入代行、さらに言えば異国のマーケットプレイスから商品を取り寄せる行為自体が、とてつもなくハードルの高い行動です。この不安一杯のユーザーの背中を押すのは充実したサポートに他なりません。

とはいえ、24時間電話サポート、のようなことを行う必要はありません。できるのであればライブチャット機能を設けて、対応時間内はいつでもチャットで質問できるようにしましょう。また、よくある質問コーナーは充実させ、99%の質問はこのコーナーを参照するだけで解決するようにしましょう。よくある質問は参照されないと意味がないので、各ページ内から積極的によくある質問へ誘導するようにしましょう。地味な作業ですが、情報が必要なときに、その回答へと誘導してあげるのが最も迷えるユーザーの問題解決に効果的です。

サポートの充実というと、どうしてもコストがかかるイメージがありますが、実際に問い合わせまでするユーザーは少数です。大半のユーザーは「問い合わせがいつでもできること」に対して安心感を覚え、サービスを利用してくれるものです。どこまでサポートを充実させるかは経営判断でもありますが、前向きに検討してみてください。

Point.3 リピーターはどんどん優遇

購入代行サービスは最初のハードルは高いですが、一度利用してしまうと継続的に利用するユーザーが多いのも特徴です。タオパオは商品の種類も豊富なので、商品の充実という意味では何の不安もありません。新規客に比べて、リピーターのほうがより積極的に取引に取り組む傾向があるのも頷けます。

リピーターには積極的に手数料の割引を提案します。利用回数や利用金額に応じて会員のランクを決め、そのランクに応じた割引率を設定します。さらにサイトの訪問回数や他の人への紹介回数なども統合して管理すれば、幅広いかたちでの貢献を促進することができ、ユーザーの満足度も、サイトの知名度も両方が向上します。

購入代行はどれだけ利用してもらえるかが肝なので、短期的な利益率の悪化を恐れず、リピーターへの積極的な還元ができるよう、システム構築時の設計に反映すべきです。グレードもわかりやすくし、自然とより良いランクを目指すような仕掛けを施すのも良いでしょう。

手のかけ方で無限の可能性が

タオパオ出品商品の購入代行のサービスは既にたくさんあります。ただ、どこも購入代行でしかないレベルにとどまっているところが多いように感じます。スタッフの顔出しによる安心感醸成やサポートの充実など、日本国内のネットショップでは当たり前のことができているサービスを見つけるのが困難なぐらいです。

デザインはもちろん、システムでも表面的な対応に終始しているサービスばかりです。日本基準で日本人向けのサービスをしっかり構築するだけで、大きな可能性をもったビジネスを創造することができるのではないでしょうか。

タオパオに限らず、APIを公開しているサイトであれば同様のかたちで拡張していくことができます。将来的な展望も含めて、お気軽にご相談いただければと思います。

開発スタッフのコメント
こういったビジネスサポート系のサービスでよく問題になるのが、顧客対応をどこまでやるか、という問題です。あらかじめこの部分を効率化することを目指しているのであれば、チャットボット等で、システムにある程度のサポートを行ってもらうという設計も可能です。もちろん、よくある質問の充実は不可避ですが、人工知能を統合することで、実際の問い合わせをさらに減らすことも可能です。全体のサービス設計の中で検討してみてください。