根強い人気のクイズ系サイト

今回のテーマはユーザーに対してクイズやテストといったコンテンツを提供するサイトの新規構築です。簡単なアンケートで結果を集計して表示する程度であれば、特に大きな投資もなく設置が可能ですが、ユーザーの興味を喚起し、結果をソーシャルメディアなどで拡散するほどの品質のものは簡単には実現できません。

口コミを主として拡散させるのも良いでしょうし、広告と組み合わせて積極的なプロモーション展開を行うのも良いでしょう。全体のマーケティング戦略の中の位置付け次第で、いかようにも使えるのがクイズ系サイトという便利な存在と言えるかもしれません。

常に一定量の需要があるだけに、商品プロモーションや集客のためのキラーコンテンツとして設置することを検討されている方も多いのではないでしょうか。クイズサイトを単発の使い捨てとして構築するのはもったいなさ過ぎます。自社の強みにつながる資産にする前提で、どのような思想・付加機能で構築するべきなのか考えてみましょう。

Point.1 更新性とそれを支える運用効率

よく誤解されることですが、クイズ系のサイトは、一度作ったらそれっきりでほったらかしにしておけるわけではありません。短期間だけの限定設置であればそれでいいかもしれませんが、再訪や口コミを促すには、一定ペースでのコンテンツの更新や追加が必要です。そのペースと質が伴わないと人気がでないと言えるでしょう。

コストを抑え、スピード感をもってコンテンツをフレッシュに保つために、クイズ管理をシステム化します。毎回WEBデザイナーに変更がある度に追加対応をしてもらうのも可能ですが、中長期的には割にあいません。ビジネスと同様、PDCAのサイクルを素早く回し、コンテンツを常にフレッシュな状態に保つことが重要です。あらかじめしっかり作り込むことで、クイズの視覚効果やサウンドといった高揚感を高めるための仕掛けのクオリティも高く保つことができます。

システムはコンテンツを順次追加していく前提で構築します。スタッフ用の管理画面を設け、設問の追加・設定や、新しいクイズグループの追加を容易に行えるようにします。また、読み物としてのコラムを同様に管理できるようにすることで、イメージタレントや監修担当の大学教授のコラムを息抜きとしてユーザーに提供するのも効果があるでしょう。

Point.2 クイズ結果画面にソーシャルメディアへの導線設置

今や必須といっても過言ではないソーシャルメディアへの導線設置。クイズの結果画面にX(旧Twitter)やFacebookへ簡単に結果を投稿できるリンクを設置できるようにします。ハッシュタグを共通化したり、クイズの結果やチャプターごとに違うものを用意しておくのも良いかもしれません。

それだけでは拡散が加速しないので、クイズ結果の全国ランキングを設置するのはもちろん、ソーシャルメディア内でつながっている人内でのランキングも設置します。どこの誰かわからない人との比較よりも、顔がわかる相手との競争のほうが燃えるのは想像に難くありませんし、周りに教えようという強力なモチベーションになりえます。こうした各参加者のつながりでの競争が刺激できれば、加速的に利用者が増えていくことが期待できます。

Point.3 拡散してくれた人は特別クイズへ招待

クイズサイト提供者側が望む行動をユーザーが行った場合に貢献ポイントを蓄積、その貢献度に応じて普通ではアクセスできないクイズへ招待します。その特別クイズには他のクイズとは違ったプレゼントを設定する等のインセンティブ施策を組み合わせるとより効果的ですが、なくてもある程度の誘因効果は発揮されるかと思います。

拡散の度合いはシステムで自動で追跡し、運用担当者が夜なべしてチェックするのではなく、あくまで最終のチェック程度で済むようにシステムを構築します。不正対策の効果をあげるためにも、システムと人力が最大限の効果を発揮できるよう設計しましょう。さすがに膨大な数を事務局スタッフがチェックするという前提は無理があります。24時間稼働できるシステムに、そうした地道な作業は委ねてしまいましょう。

Point.4 当選者や成績優秀者の管理もスムーズに

クイズの結果で何かしらのプレゼントを行う場合、その管理もシステム上でスムーズに行えるように構築します。「当選者の管理はエクセルにコピペで・・・」というではコピペの際の人的ミスで誤発送や、メール連絡の際に間違えて個人情報流出といったリスクを抱えることになります。人事異動による引き継ぎにも脆弱になってしまうので、情報が分散してしまう管理方法はできる限り避けるべきです。

プレゼントの割り当てや連絡、さらにはユーザーに送付先の住所を入力してもらう専用のフォーム設置など、全てを一元管理することでクイズサイトを使ったプロモーション全体の運用工数を大幅に削減します。当選状況や、賞品の配送状況などを閲覧できるユーザー向けの画面を設けることも、ユーザー体験の向上に有効です。何より業務効率向上効果が高いので、予算が許すのであれば機能実装することをおすすめします。

単発サイトに終わらせずに資産化を

クイズサイトを使ったプロモーションは多い一方で、一発屋ならぬ一発サイトが多いのが事実です。今まで接点のなかったユーザーの集客という目的が多いのは事実ですが、既存客のロイヤリティ向上にも使えることはあまり知られていません。

かしこまったコンテンツや小冊子のようなイメージ媒体で自社のメッセージを伝えるのも有効ですが、クイズというユーザーが取っつきやすく思わず挑戦したくなる手段でのメッセージ伝達、双方向コミュニケーションもこれからもっと注目されてもいいのではないでしょうか。

単発サイトで使い捨てとしか考えられていなかったクイズサイト。システム化を行うことで顧客との関係構築のためのCRMツールとして活用することができ、自社の強みにつながる資産として育てていくことができます。是非一度ご検討ください。

開発スタッフのコメント
クイズを作成する過程で、たくさんの方が関与できるよう、システムのユーザー管理・権限管理を柔軟にすべきです。さらに、クイズを作成すること自体をユーザーに対して開放するのであれば、それに応じたデータベース設計や、セキュリティ管理を行う必要がでてきます。クイズ登録の際のユーザー登録の有無も含めて、サービス設計に応じて姿を大きく変えるシステムでもあります。