学生寮の運営管理をもっと楽にしたい!

今回のテーマは学生寮の管理システム。学校の規模によりますが、中〜大規模の学生寮ともなるとその管理コストはマンションの賃貸管理同様手間がぐぐっと増えてきます。昔は部屋数も少なかったのが、部屋数の多い新しい寮が建設された後からは業務量がぐっと増えてしまったり、周辺の提携寮まであわせて管理するようになったりして現場の負担が増しているというケースも多いと思います。

FAXや紙、がんばっていたとしてもエクセルのような表計算ソフトでは時間ばかりがかかって、パートスタッフの労働時間ばかりが延びてしまう。気づいたら管理コストが右肩上がりというところも多いのではないでしょうか。売り上げを急激に伸ばせる業態ではないだけに、コスト面での風当たりが厳しくなってくるかもしれません。

その手間、システムで軽減できます。学生への一斉連絡や空き状況の返答に費やしている時間を他のもっと価値のあることに振り分けられる、そんな未来はすぐそこです。では、詳しく見ていきましょう。

Point.1 部屋の空き状況を即座に検索、回答

まずはエクセルで管理している入退室状況をシステムで管理するようにします。部屋を登録し、学生を登録し、それぞれの入居日や退去日を管理します。こうすることで急な空き状況照会もシステム上で「ぱぱっと検索」するだけですぐに回答することができます。一覧で表示されるだけでも便利でしょうし、実際の寮の配置を模した視覚情報を再現して表示するのも便利でしょう。

今まで「折り返します」として15分かかっていた作業が5分で片付きます。すぐに回答できることで相手もハッピーでしょうし、折り返しがつながらないときのあのなんとも言えない無駄な時間をなくすことができます。

Point.2 一斉もグループも、お知らせを簡単送信

学生寮を運用していると学生に連絡したい事柄があると思います。掲示板に貼り出すのも有効ですが、今時はメールで送る方がお互いにハッピーなはず。とはいえ、一通一通送っていては肩がこるばかり。そんな時はシステム上からメールを送れるようにしてしまいましょう。

登録されている学生に一斉送信することはもちろん、学年や部屋タイプなどでグループを作っておけば、そのグループを選択するだけで特定の学生にだけお知らせを送ることができます。こまめな連絡を簡単に。これだけで学生寮内でのトラブルが減りそうです。

さらによく使う文面はあらかじめメールテンプレートとして登録しておくことで、呼び出すだけで文章をセットすることができます。督促などは定型文を送ることが多いだけに、文章を作成する手間から解放されるでしょう。

Point.3 規則やルールは一箇所でまとめて公開

新しい入居者に渡しているような紙の資料、多くないですか? 一所懸命作ったのに肝心の学生は読んでくれていなかったり、必要な時に紛失していたりしませんか? 内容を変更するたびに新しいものを配布したり掲示したりの手間も馬鹿になりません。

どうせ作るならシステム上にまとめて公開しちゃいましょう。いつでもインターネットがあれば内容を確認できるので学生もハッピーですし、内容に修正があったときにすぐに変更できます。もちろん刷り直しなんて必要ないですし、何よりエコです。「プリンタのインク・トナーがまたなくなっているわ」なんてため息をつく機会も減るかもしれません。

Point.4 マイページを用意し、各手続きをオンライン化

さらに踏み込むのであれば、入寮申し込みから退寮の手続きまで、すべてシステム上で行ってしまうことをおすすめします。メールが大量に飛び交うことによるミスや手間を大幅に軽減できますし、入寮希望者が必要な情報を勝手に送信してくれるので、事務局はそれを取りまとめたり、審査したり、システム上の操作を行うだけで業務が完結するようになります。

情報の見える化やリアルタイム性も大きく高まりますので、利害関係者すべてに波及する効果は非常に大きいものになるでしょう。入寮者も手入力よりも便利になるので、入寮者満足度が高まる効果が期待できます。

守りではなく、攻めの発想を

学生寮と一言に言ってもその規模や運営形態は様々。管理されている学生さんが50名を超えるようであればシステム投資のメリットはかなり大きいと思います。

前述の追加機能はすべて基本的なものばかりですが、より経営を意識するのであれば稼働率のような経営指標を時期ごとに簡単に確認できるレポート機能を実装することも可能ですし、学生同士のコミュニケーションを促進するのであれば、掲示板やSNSに似たような機能を追加することも可能です。

学生寮の管理システムと捉えると無味乾燥なテーマに思えますが、入居者満足度を向上させるためのシステムと捉えるとアイデアが溢れてきますね。

関連事例:留学生寮管理の徹底効率化

開発スタッフのコメント
学生寮といっても、その部屋数がいくつか、また、建物数がいくつかで仕様は変わります。管理するものが多ければ多いほど、また、その割当ルールが複雑なほど、システム化するメリットが高まります。複雑な割当ルールを担当者がうなりながら残業しているのであれば、一度しっかりとルール化してみてください。日割り家賃のような細かくかつミスが許されないものも、システムに落とし込む過程で明確化・マニュアル化することで、業務効率が大きく改善することがありますのでお勧めです。